産後、なんだか「おなら」が多くなった気がする、ちょっとおなかに力を入れるだけで、出てしまう……そんな悩みはありませんか? 産後はおならが出やすくなるものなのでしょうか。また、対処方法はあるのでしょうか。産後のおならについて解説します。

産後におならが出やすくなる理由って?

妊娠前にくらべて、産後はどうもおならが出やすくなった気がする……。そんなふうに感じている人は、実は少なくないかもしれません。なぜなら、産後に起こる体の変化のなかには、おなら増の原因になりうるものがいくつかあるからです。

まずは、おならと関係のありそうな、産後の体の変化について探ってみましょう。

理由1 便秘の影響

そもそもおならとは、腸内にたまったガス。このガスは、おもに腸内にすみついている「腸内細菌」が作り出した気体でできています。

産後は、「妊娠中や出産時にできた痔や会陰切開の傷が気になって排便がうまくいかない」、「母乳育児のために水分不足になりやすい」、「トイレに行くタイミングを逃しやすい」などの理由で便秘になりやすいものですが、便秘になると、便が腸に長い時間留まることで腸内細菌の生み出すガスは増えることも。

その結果、おならが出やすくなる場合もあります。

理由2 睡眠不足の影響

また、産後は、生活自体が変わります。赤ちゃんの睡眠リズムに合わせて、睡眠不足にもなりやすいものです。長期にわたる睡眠不足は、腸内細菌叢のバランスに変化を起こす可能性があるとする研究もあります。

腸内細菌叢が変わると、食べたものの分解のされ方が変わり、ガスの発生の仕方も影響を受けます。それによって、おならが出る頻度だけでなく、においも変質する場合があります。

理由3 骨盤底筋の働きが低下し我慢できなくなる

骨盤底筋群は、子宮や膀胱などの骨盤内の臓器を支えて、正しい位置にキープする役目を担ういくつかの筋肉の総称。この骨盤底筋群は出産によって押し広げられ、産後はゆるみます。

「肛門括約筋」も骨盤底筋群を構成するひとつの筋肉ですが、この筋肉がきちんと働かないと肛門周りをうまくコントロールできず、おならを我慢できなくなるという場合もあります。ひどい場合には、便が漏れてしまう人もいます。ちなみに、骨盤底筋群のゆるみは、産後によく起こる「尿もれ」も引き起こします。

産後のおならの悩み対策は?

ここまでで説明したように、産後におならが気になるようになっても不思議ではありません。でも、できることなら改善したいですよね。そのためには、どのような方法があるでしょうか。

対策1 便秘を改善する

まずは、便秘を改善しましょう。ごく基本的なことですが、食生活をととのえて、食物繊維を積極的にとり、水分補給をこまめにして、適度に体を動かすことが大切です。

特に食物繊維は、よく噛まないと食べられない食品に多いため、忙しくて早食いになりがちな食生活だと、つい敬遠してしまうかもしれません。毎食はむずかしくても、せめて1日1食でも、根菜などを意識してとれるような食事をしましょう。サプリメントで補給する方法もあります。

また、産後はなかなかむずかしいかもしれませんが、睡眠時間をできるだけ確保して。赤ちゃんが寝たら、一緒に寝るようにしてみましょう。

また、いろいろ心がけようと思っても、産後、便秘が改善しない場合は、我慢せず医療機関を受診して、産後の便秘によい薬を処方してもらいましょう。

産後の便秘について、くわしくは下記の記事を参照してください。

【医師解説】産後の頑固な便秘!その原因って何? 対処法はあるの?
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/3558

対策2 骨盤底筋群の回復を促す

ゆるんだ骨盤底筋群は、エクササイズで引き締め直しましょう。よく行われているのは「ケーゲル体操」と呼ばれる方法。

肛門と腟にキュッと力を入れて引き締め、そのまま5秒間キープしたらゆるめる、という動作を何回か繰り返します。立っていても、寝ていても座っていても、どんな姿勢でもできるので、リラックスしてやってみましょう。家事をしながらでも、ちょっと意識するだけでできるので、少しずつ体の変化を感じてみてください。

ただ、出産直後は会陰の傷が痛むこともあり、また骨盤も不安定なので、産後1ヶ月くらいしてから始めるようにしましょう。

ケーゲル体操について、くわしくは下記の記事を参照してください。

【医師監修】骨盤底筋を鍛えて尿もれを予防「ケーゲル体操」について知りたい!
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/7315

まとめ

産後はおならが出やすい状態になっても不思議はないことを紹介しました。改善のためには生活リズムを整えることなどが大切ですが、産後すぐは赤ちゃんのお世話で手一杯ですよね。でも、成長にともなって少し余裕も出てくると思います。あまり焦らず、できるところから整えていきましょう。また、頑固な便秘はあまり我慢せず、受診して治療を受けましょう。

この記事の監修ドクター 産婦人科医 太田寛先生
アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

(文:関川香織/監修:太田寛先生)

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※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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