【2019惜別・野球人】闘将・星野仙一、鉄人・衣笠祥雄、名助っ人のスタンカらの功績を振り返る
残り少なくなってきた2018年。今年も、残念ながら多くの野球人たちが天に召されてしまった。改めてご冥福をお祈りしつつ、その軌跡を振り返ってみたい。
◎闘将、逝く
1月4日、星野仙一氏が膵臓がんのために亡くなった。享年70歳。
中日で過ごした現役時代の通算成績は146勝121敗34セーブ。1974年には49試合に登板し、15勝9敗10セーブでリーグ優勝に大きく貢献、自身も沢村賞に選出されている。
監督としては、中日でトータル11年間、阪神で2年間、楽天で4年間務め、いずれもリーグ優勝に導いている(楽天では日本一)。監督通算1182勝は歴代10位。
このように、輝かしい球歴を誇る星野氏だが、数字以上に際立っていたのが熱血キャラだ。現役時代から「燃える男」と呼ばれ、指導者となってからも、選手と熱く厳しい姿勢で向き合い、強烈なリーダーシップを発揮して戦う集団を作り上げていった。それでも、各チームの選手たちから慕われたのは、そこにあふれる愛情があったからだろう。
2015年からは楽天球団の取締役副会長を努め、チームをバックアップ。最後まで球界の発展に寄与した。
◎鉄人も病には勝てず
衣笠祥雄氏(元広島)は4月23日に上行結腸がんのため亡くなった。享年71歳。
衣笠氏といえば、まず思い浮かぶのが当時世界記録の2215試合連続出場だろう。その功績により球界では王貞治ソフトバンク球団会長以来2人目となる国民栄誉賞を受賞している(のちに長嶋茂雄氏、松井秀喜氏[ともに元巨人]も受賞)。
通算2543安打は歴代5位タイ、504本塁打は7位タイと歴史に残る成績を残しており、1976年には盗塁王にも輝いている(31盗塁)。試合に出続けられたということは、単に体が頑丈だっただけでなく、選手として数字を残し続けたという証でもある。
◎ダンディーな一本足
片平晋作氏は1月22日、膵臓がんのため亡くなった。享年68歳。
現役時代は南海で10年、西武で5年、大洋で3年と3チームを渡り歩き、長身の一塁手として活躍。トレードマークの一本足打法で通算1181安打、176本塁打を放っている。
引退後は、西武で打撃コーチ、2軍監督、編成部長などを歴任。2013年には女子野球のイースト・アストライアでも監督を務めた。
◎カネやんの弟も天国へ
金田留広氏(元東映ほか)は10月2日に死去。享年71歳。
“金田正一氏(元国鉄ほか)の弟”として語られることも多い留広氏だが、1972年に20勝、1974年は16勝で最多勝のタイトルを獲得。その2シーズンも含めて15勝以上を5回、通算128勝を挙げている名投手だ。
オールスターゲームにも3回出場し、1969年には打席に立った兄・正一氏との対戦も実現している。また、引退後はロッテの2軍コーチとして後進の指導にもあたった。
◎南海一筋の野球人
穴吹義雄氏は7月31日、敗血症のため亡くなった。享年85歳。
選手として13年、指導者として17年、南海一筋のプロ野球人生を送ってきた。監督を務めた1983〜1985年は5位、5位、6位と結果は残せなかったが、あの頃の南海は暗黒時代とも言える時期。それも仕方なかったか。ダイエーに経営母体が変わってからも、編成部長を務めるなど、ホークスとの関わりは深かった。
◎巨体のパワーピッチャー
ジョー・スタンカ氏は10月15日にテキサス州の自宅で亡くなった。享年87歳。
南海で6年、大洋で1年在籍。196センチ96キロという巨体から繰り出す剛球を武器に、264試合に登板し100勝72敗。外国人としては初の大台到達投手となった。
また、1961年の日本シリーズでは、初戦に巨人打線を完封。こちらも外国人初の日本シリーズ勝利投手になっている。
偉大な選手たちのご冥福をお祈りして、あらためて合掌。
文=藤山剣(ふじやま・けん)
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