記録的な少雪が続く中、雪を売りにする県内の観光地に、宿泊のキャンセルや雪遊び施設のオープン延期といった影響が出始めている。連日、天気予報に気をもむ関係者からは「迎える準備は万端なのだが…。後は雪乞いするしかない」と祈るような声が聞かれる。

 積雪不足で一部、滑走できないゲレンデもある山形市の蔵王温泉スキー場。蔵王温泉観光協会によると、今年は正月休み明けから宿泊キャンセルが出始めた。予約の入りも鈍くなっており、「例年のおよそ2割減の状況」と伊藤八右衛門会長。ある旅館関係者は「正月休み明けから日に6〜8件キャンセルの連絡が入っている」と明かす。予約確認の連絡をすると「雪が少ないので宿泊日ぎりぎりまで判断を迷っている」と言われたり、雪が少ないため連泊を取りやめたりする人もいて、「雪乞いするしかない」とこぼした。一方、海外客のキャンセルはそれほど出ていないという。

 例年この時季は1メートル超という樹氷原周辺の積雪も、今年は40センチほど。蔵王ロープウェイは昨年末から雪上車を使った樹氷見学ツアーを予定していたが、ゲレンデの積雪が足りず雪上車が走れないため、まだ1度も実施できていない。同社の工藤利彦取締役営業企画部長は「後は雪だけ。祈るしかない」。伊藤会長は「このような雪不足は約40年ぶり。このまま続けば事業所によっては資金繰りの問題も出てくる。協会として金融機関や行政などへの働き掛けもしなければいけない」と話す。

 台湾など海外からの旅行者を多く受け入れている飯豊町「どんでん平スノーパーク」は、ほぼ雪がなく、11日の開園予定を25日に延期した。町観光協会によると、置賜地域からの予約キャンセルが発生している。「せっかく町へ雪遊びに来てくれるのに、楽しませられないのがつらく悔しい」と担当者。台湾からの団体旅行者は町内の豪雪地・中津川地区の白川ダム湖岸公園に場所を変え、15日に第1弾を受け入れる予定だ。

 新庄市の雪遊びイベント会場「雪国ワンダーランド」(かむてん公園)も11日のオープンを見送った。これまでにタイや台湾からのツアー客約100人がキャンセルになったという。18、19日の開場に期待を寄せるが、市商工観光課は「かなり厳しい状況」。新庄観光協会の担当者は「雪以外は準備万端。十分な積雪が待ち遠しい」と願った。

神室雪まつり延期−金山・来月16日に
 金山町のグリーンバレー神室スキー場で19日に開催予定だった神室雪まつりは、雪不足のため2月16日に延期となった。町や町内観光関係者でつくる実行委員会が14日、判断した。

 町によると同日現在、スキー場の積雪は約10センチ。オープンには50〜60センチ必要なため、今季はまだ営業していない。雪まつりでは雪上ゲームや打ち上げ花火、飲食の出店を予定している。