河北町の谷地八幡宮(林保彦宮司)は、七五三参りの際に奉納された絵馬を保管し、成人した人に発送する取り組みを30年以上続けている。絵馬には、子どものときの写真と親からのメッセージが添えられており、「親の気持ちが伝わる」と感謝する声が全国各地から寄せられている。

 取り組みのきっかけは、子どもの明るい将来を願う言葉を絵馬に書く親が多かったこと。「その気持ちを成長した参拝者に伝えたい」との思いから、絵馬を保管し、新成人となった年に発送するようになった。今年は10日に300通を県内外に送った。

 絵馬の表には子どもの名前と写真、親のメッセージが記載され、裏には子どもの手形と参拝日などが書かれている。長年行っているため、絵馬を受け取った人が親になって参拝に訪れることも増えているという。

 成人した人や親からは「びっくりした」「当時を懐かしんで読んだ」などの感想が谷地八幡宮にメールなどで送られてくるという。共立女子大2年岡崎まどかさん(20)は、母が病気がちだった幼少期を心配し、「健康で優しい女性になってほしい」との願いを託した絵馬を受け取り、「何度も入院して家族に心配をかけた。無事に20歳を迎えられたので、感謝の気持ちでいっぱい」と話す。

 谷地八幡宮の林郁子禰宜(ねぎ)は「転居した人にもなるべく送るようにしているので苦労も多い」としながら「人と人をつなぐ事業をしなければと思って始めた取り組み。今後も続けていかなければいけない」と決意を新たにしている。