山形大工学部の幕田寿典准教授(43)が研究している超微細な泡(ファインバブル)の発生装置が科学技術振興機構の支援プログラムに採択された。超音波(振動)を使うのが特徴。装置内に液体を循環させたり、高圧な空気を吹き付けたりする従来型と比べ、高温や粘度が高い液体でも対応できる。用途は格段に広がり、超軽量金属や、飲み込みやすい食品など福祉分野での応用が見込まれる。

 ファインバブルは直径が0.1ミリ以下の微細な泡で、高い溶解性があるため身近な分野では風呂水や洗浄水、さらには農業・水産業の分野で使用されている。幕田准教授が開発を進めている装置は細かい振動を加えることで、より微細な泡を生む仕組みになっている。

 従来はポンプを使いくみ上げた液体を高速で放出したり、細かい穴が開いたノズルから空気を出したりして泡を発生させていた。この方式だと▽常温▽粘性が低い▽腐食しにくい―の条件を満たす必要があり、使用できるのは真水や海水ぐらいだった。

 振動をメインとした幕田准教授の装置は内部に液体を循環させる必要がないため、液体の粘性が高く、高温でも使用可能だ。ハチミツのような“どろっ”とした液体でも細かい泡が生まれる。「これまでにない」製品として、強度があり、かつ超軽量な金属が挙げられる。液状にした金属を泡状にして型に流し込んで固める工程が想定される。

 同機構は、この装置がどの程度の粘度、温度まで対応可能か研究、調査するために必要な資金として300万円を交付した。支援期間は11月30日までの1年間となっている。

 幕田准教授は食品分野への応用として「アイスクリームやマヨネーズ、ケーキなどでの利用が考えられる」と展望。さらに食感がフワフワとして飲み込みやすくなるため「介護食への導入も期待される」と話している。