県が開発した大玉サクランボ新品種「やまがた紅王」の苗木の販売本数が想定を上回るペースで推移している。当初は3年間で1万5千本程度を目標にしていたが、2018、19年度の2年間で約2万本に達した。14日には20年度分の受け付けが始まり、今回から中小規模生産者が購入しやすいように1戸(法人)当たりの販売本数の下限を引き下げた。

 「やまがた紅王」は23年度からの本格販売を予定しており、市場で高い評価を得るためには出だしから一定程度の出荷量を確保する必要がある。県は県産果樹で初めて生産者登録制度を導入し、農家1戸(法人)当たり10本以上の苗木購入を登録の要件とすることで栽培面積の拡大を進めてきた。

 苗木の販売が始まった18年度は1406個人・法人から1万6658本の申請があった。1万2千本程度を見込んでいたが、購入希望数が想定を上回ったため、2カ年に分けて生産者に供給した。一方、19年度は251個人・法人、2808本にとどまり、栽培面積の拡大は一段落したとみられる。

 20年度以降も登録要件を10本以上の購入とした場合、苗木の配給が進まず産地形成が停滞しかねないとの懸念がある。中小規模の生産者から少量販売を希望する声が上がっていたこともあり、要件を「5本以上」に引き下げた。県園芸農業推進課は「間口を広げることで生産拡大を進め、『佐藤錦』『紅秀峰』と共に県産サクランボの3本柱になるようにしたい」としている。

 20年度分の申請は2月12日まで。苗木は受注生産となるため、申請後のキャンセルや変更はできない。価格は台木がコルトの場合が1本4584円、アオバザクラが同3056円。各総合支庁の農業技術普及課や「やまがたアグリネット」のホームページなどから申請書を入手し、県内各JAや苗木業者に提出する。問い合わせは受付窓口となる各JAなど。