厳寒を生かしてうま味を引き出す凍(し)み大根作りが、山形市の西蔵王高原で最盛期を迎えた。寒空に大根がカーテンのように連なり、この時季ならではの光景を見せている。

 同市神尾の農業庄司稔さん(59)は自身の畑で収穫した大根を使う。皮をむき、食感や味を良くするため一度ゆでる。その後、ひもを通し、ハの字形に組んだやぐらに20日間ほどつるす。昼夜の寒暖差による凍結、解凍の繰り返しで乾燥させる。さらに蔵王連峰から吹き下ろす冷風が水分を飛ばし、うま味を凝縮させるという。白からべっ甲色になれば食べ頃だ。

 今シーズンは例年より雪は少ないが「夜間は平地より気温が2、3度低く、出来具合は順調。約8千本の出荷を見込んでいる」と庄司さん。作業は今月いっぱい続き、市内の産直施設などに並ぶ。「身欠きにしんとジャガイモ、ニンジンとの煮物は懐かしい味わい。みそ汁の具にもぴったり」と笑顔で話す。