プロ野球で戦後初の三冠王となり、指導者としても3度の日本一を経験した名将、野村克也さんが11日、急死した。

 プロ野球楽天の監督を務めた野村克也さんは本県でたびたび講演会の講師を務め、“ぼやき”を披露していた。訃報が届いた11日、県内の関係者からは惜別の声が上がった。

 2007年、野村さんは山形新聞主催の「ゆうゆう自適大学」で講演。「勝つための方法は一つではない」と野球を通じた人生観を語った。

 東根市民立大学「タントまなべ学園」の理事長だった松浦秀文さん(70)=同市=は11年、同市内での講演後に野村さんを天童市内のそば店に案内した。延々と続く山道に「こんな田舎にそば屋があるはずないだろう!」といぶかしがったが、店に入った途端に「そばの香りがする」と感激し、大盛りを平らげたという。松浦さんは「野性的で泥臭くて、人の心を大切にする人だった」としのんだ。

 14年には新庄青年会議所(JC)に招かれ、新庄市で講演した。JC副理事長だった山科慎治さん(43)は「新庄への道中、野村さんは階段を踏み外して足を痛めたようで、ずっとぼやいていた。テレビで見るままの印象だった」と振り返り、「衣装を褒めると『サッチー(沙知代夫人)が選んでくれたんだよ』と顔をほころばせていた」と思い出を語った。