県が県魚サクラマスとニジマスを交配させて開発した大型マスの名称が12日、「ニジサクラ」に決まった。サケやマスを地域ブランド化した「ご当地サーモン」は各地にあるが、サクラマスを親に持つ魚は全国初という。本県で生まれ育ったブランド魚としてPRし、2022年度からの本格販売を目指す。

 山形市のホテルメトロポリタン山形で同日開かれたお披露目会で吉村美栄子知事が発表した。開発段階から仮称で「ニジサクラ」と呼ばれており、語感が良く消費者に分かりやい形でアピールできることから正式名称となった。

 本県はニジマス養殖発祥地の一つとされるが、近年は消費者ニーズの変化に伴い生産量が減少しつつある。一方、全国では宮城県の「伊達(だて)いわな」や長野県の「信州サーモン」など100銘柄以上のご当地サーモンが生まれており、現場からは本県ならではの付加価値の高い品種の開発を求める声が上がっていた。

 県内水面水産試験場(米沢市)で13年度から開発がスタート。「ニジサクラ」は米国で育種された養殖向きのドナルドソン系ニジマスとサクラマスを掛け合わせて誕生した。生まれてくる稚魚は全てメスで成熟せず成長を続けるため、本来は卵をつくるための栄養が肉にいき、脂の乗りの良さとサクラマスの上品な食味を併せ持つ魚になる。

 お披露目会の会場には同試験場で養殖した体長約60センチ、重さ約3キロの「ニジサクラ」が入った水槽が運び込まれ、出席者が写真撮影していた。吉村知事は「山形に来ないと食べられないプレミアムな魚としてブランド化に取り組みたい」と語った。

 引き続き試食会が開かれ、「ニジサクラ」のポワレやパイ包み焼きなどがテーブルに並んだ。昨年末から試験養殖に取り組む最上町の養殖業者「岩魚屋」の佐藤竹美代表は「若干警戒心が強いが、養殖は難しくない。成長が楽しみ」、料理を提供したホテルメトロポリタン山形の渡辺隆総料理長は「身がしっかりしていて色味も良い。出回るようになればぜひ使いたい」と話していた。

 20、21年度は千匹程度を準備して試食求評会などでPRし、1万匹以上確保できるようになる22年度から本格販売する。