米沢市への進出方針を固めていた自動車内外装品製造の三井屋工業(愛知県豊田市、野口明生社長)は14日、米沢八幡原中核工業団地への新工場建設を発表した。同社は自動車メーカーと直接取引する1次サプライヤー。新工場を東日本の生産拠点と位置付け、ロボットやIoT(モノのインターネット)などの技術を活用したスマートファクトリー化を図り、タイヤを覆うフェンダーに装着される「ライナー」を生産する。2021年3月の操業を目指す。

 野口社長と高橋直輝副社長、梅下翔太郎取締役専務執行役員が同日、県庁を訪れ、吉村美栄子知事に進出を報告。中川勝米沢市長が同席した。

 同社はトヨタ社のトランク内装部品の7割を生産。米沢で製造するフェンダーライナーは、繊維系材料を用い、タイヤが発生源となる騒音や、タイヤが跳ね上げる小石や水がボディーにぶつかり発生する異音を吸収、低減する。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)などの自動車メーカーに供給する。

 同社は現在、豊田市に三つの工場、福岡県に九州工場を構える。軽量化・静粛性に貢献する高付加価値内外装品の需要の拡大が見込まれており、東北・関東エリアに生産拠点を置く顧客に迅速、柔軟に対応するため、拠点に近い米沢市への新工場建設を決めた。

 工場建設は今春着工する。敷地面積は約1万8400平方メートル、建物は鉄骨平屋の6600平方メートル。建設費、設備費、土地取得費などの投資額は約17億円。21年度の売上高は約6億円を見込む。従業員は当初10〜20人を雇用する計画で、県内など近隣企業からの材料調達を検討している。

 野口社長は米沢進出の理由を「東北、関東のお客さまと取引を増やしていきたいと考え、適した場所を探していた。長く気持ち良い関係が築けるかを検討し、山形県と米沢市からありがたい指導、支援を頂いた」と説明。「山形大工学部はプラスチックや応用化学の分野が強いと聞いている。当社の材料開発と近い点があると考えており、連携や学生の採用を期待している」と語った。

 吉村知事は「(三井屋工業の進出を)心から喜ばしく思っている。地方創生にとって働く場所は非常に重要。トヨタは東北で小型車の生産に力を入れており、自動車産業の集積がさらに進むことを期待している」と話した。中川市長は「地域活性化と県全体への波及効果は大きい。しっかりと支援していく」と述べた。