県内の暴力団構成員数が統計開始以来、初めて100人を下回り、約80人となったことが22日、県警組織犯罪対策課への取材で分かった。県暴力団排除条例や県警の摘発強化などの効果とみられるが、近年は全国的に組織からの離脱を偽装し、活動資金獲得などで暴力団の活動を支えているケースも確認されている。同課は「(構成員数は)最少となっても、引き続き警戒と取り締まり強化が必要だ」としている。

 本県も含めた全国的な抗争事件などを受け、威力を示した不当要求などを規制するため、1992年に暴力団対策法が施行された。その後は組織間の対立にとどまらず、一般市民にも危害が加わる事件が頻発したことから、2011年ごろから、本県など各都道府県で、暴力団排除条例を施行。日常生活や商取引の場面でも暴力団構成員とは各種契約ができないとする「暴排条項」が浸透し、銀行口座も作れないなど、締め付けは一層強化された。

 県内の構成員数は、認定基準などの変更はあるものの1963(昭和38)年の1210人が最多だった。暴対法、県暴排条例の施行効果や取り締まり強化などで、2011年に300人を切り290人となって以降、年々減少していた。

 県内では全国展開する住吉会、浪川会、極東会の各指定暴力団傘下の2、3次団体7組織が組事務所を構え、活動している。県警はこのうち、米沢市内に拠点を置く最大勢力・住吉会系奥州山口一家六代目の集中的な取り締まりを展開。他にも県内の他組織への摘発も強化した。暴排条項があるにもかかわらず、素性を隠して各種申請や契約を結び、補助金を受給するケースなどもあり、詐欺容疑での構成員らの逮捕が相次いだ。こうした県警の取り組みが構成員のさらなる減少につながっている。

 「半グレ」と呼ばれる集団が暴力団同様の活動をするなど、近年は組織を前面に出した活動をしない傾向にある。捜査関係者によると、威力を示した脅しによる資金獲得ではなく、特殊詐欺や素性を隠して商取引をするなど「脅しからだましに、シノギ(資金獲得活動)は変わってきている」という。構成員の減少は表面的な「組抜け」の可能性もあり、県警は今後も暴力団など反社会的勢力の活動実態に目を光らせる。