27日に行われたサッカーJ2の再開初戦。モンテディオ山形は、異例となる無観客のホーム戦から再スタートを切った。新型コロナウイルスと向き合うため、スタジアム内には「新しい生活様式」の風景も。公式戦を待ち望んだサポーターは、喜びを感じてスタジアム以外の場所から声援を送った。

 本来なら青の旗が風になびき、数千人のファンが集う天童市のNDソフトスタジアム山形が、静かにリーグ戦再開の時を迎えた。

 会場ではJリーグのガイドラインに基づき、新しい生活様式が取り入れられた。関係者と選手が滞在するエリアを明確に分離。選手を含めた全員がマスクを着用し、仲間同士でも肘タッチが基本だった。

 キックオフ35分前、サポーターから募った応援動画が大型ビジョンに映し出され、音の少なかったスタジアムの雰囲気が変わる。お気に入り選手の名前を叫んだり、応援歌を口ずさんだり、ウオーミングアップ中の選手を激励した。両チームや審判団の同時入場はなかったが、山形の選手は自ら発案した医療関係者らに感謝する横断幕を持ち、記念撮影に臨んだ。

 過去にあった制裁による無観客試合とは異なり、開始の笛とともに、軽快なリズム音、歓声に似せた音が鳴り続く。前半18分、FW渡辺凌磨のゴールの瞬間も歓喜は控えめ。後半は静寂となる時間帯が増え、「バチン」とボールを止めて蹴る音、パスを求める指示の声がピッチ内に響き、臨場感は増した。

 今季初勝利の喜びを感じつつ、主将のMF山田拓巳は「いろんな人の協力のおかげでこの日を迎えられたことが純粋にうれしかった」と感謝。次回のホーム戦では観客が入る見込みだ。

山形のバーでファン観戦
 サポーター連合「ウルトラスACMY(アクミー)」代表の藤倉晶さん(45)が経営する山形市のBar(バー)12には、4人が観戦に訪れた。普段のアウェー戦では10〜20人ほどが集まるが、3密を回避するため事前に来店しないことを告げる常連客もいたという。それでも藤倉さんは「今まで中止になっていて気持ちが落ち込んでいた。週末にサッカーが行われる日常が戻ってうれしい」と再開を喜んだ。

 試合は前半18分、FW渡辺凌磨が豪快にネットを揺らして先制。サポーターたちは、拍手で静かに喜びをかみしめた。同市東青田1丁目、介護職員山口大輔さん(37)は「普段のホーム戦はスタジアムで見ているので、こうして画面越しなのは不思議な感覚」とし、「やっぱり現場に行って、ハイタッチなどで盛り上がりたいね」と話した。