大江町の「大江の秋まつり」などで奴(やっこ)行列を披露している同町左沢の「十三区奴保存会」(後藤恒雄会長)は、奴が持つ長やりに取り付ける熊毛と白毛を約20年ぶりに新調した。少子化などで奴の担い手の確保が困難となっている中、後藤会長は「伝統を次世代に残していく」と意気込んでいる。

 同保存会の奴行列は1928(昭和3)年に昭和天皇即位の御大典を祝うために始まった。以来、3年に一度、同町の秋まつりで奴行列を披露。現在は町内会・左沢第13区の住民61世帯が参加しており、昨年9月も天皇即位と町誕生60周年を記念し町内を練り歩いた。

 ウシ科のヤクの毛でできた熊毛と馬の毛を使用した白毛は、長やりの先端に取り付ける。奴がやりを回すと毛先が広がり、行列の力強さを演出する重要な役目を担う。

 しかし近年は毛が抜けるなど古さが目立っていた。保存会は県のコミュニティ助成事業補助金を活用し、熊毛と白毛を二つずつの計四つを京都府の装束店に発注。やりの部分一本と、まつりで左沢第13区内に掲げられるちょうちんと合わせ、計296万円をかけて新調した。後藤会長は「熊毛や白毛を取り扱う業者は少ない。新しいものが出来上がり一安心だ」と話す。

 次回の奴行列の披露は2022年の大江の秋まつりの予定。行列には左沢第13区の住民のみが参加してきたが、昨年は町職員3人が加わった。存続に向けて今後も人材確保は重要課題。後藤会長は「練習や衣装の調達など奴行列の準備は大変だが、地域全体の交流につながっている。13区以外の住民の力も借りながら続けていきたい」と決意を新たにした。