「勝負の神」として知られる仙台市の秋保神社で28日、悪運や疫病神を断ち斬る抜刀会が開かれた。真剣を振るうのは、天童市に道場を構える抜刀道家の阿部吉宏さん(41)。合格や商売繁盛祈願、新型コロナウイルス収束などさまざまな思いを受けて巻きわらを一刀両断した。

 同神社で毎月開催される「祈願と感謝の日」プログラム。「悪運斬り」という名称とは裏腹に、依頼者はその道で成功している実業家など「より高みを目指すセレブも多い」(阿部さん)。祈祷(きとう)代などを含み2万2千円と高額にもかかわらず、毎回定員の28人に達するという。

 ピーンと張り詰めた和楽殿に、黒い道着姿の阿部さんが登場。祈願者全員の名前が書かれた半紙を、3畳分を使った直径約20センチのわらに巻き付け準備完了だ。阿部さんが真剣を振り下ろし、悪運を封じ込めた巻きわらをぶった斬ると、見物客から喝采が起きた。

 女優でもある門下生「勝負の姫君」の風谷南友(かぜたになゆ)さんが斬り込んだわらは、勝ち運が宿るお守りに。阿部さんの手ほどきを受けて祈願者本人が斬る体験企画もあり、6回目という東京都足立区、コンサルタント井殿(いどの)康宏さん(67)は「仕事がうまくいっている感謝を込め通っている。これまで斬ったわらを束ねて魔よけにしようかな」と話した。

 同神社は室町時代から「戦の神」として崇拝され、現在は受験や選挙、部活での必勝祈願先として信仰を集める。プロゴルファーや格闘家も参拝するといい、境内には勝ちのぼりがはためている。