県は30日、県内で2019年度に児童相談所と市町村が認定した児童虐待件数が前年度比335件増の847件だったと発表した。警察や市町村、県民からの通告件数は同612件増の1534件で初めて1000件を超えた。虐待の早期対応に対する県民の意識が年々高まっているとみられ、虐待の顕在化により認定、通告件数ともに2年連続で過去最多を更新した。

 県子育て若者応援部のまとめによると、虐待者は実母が435件(51.4%)で最も多く、次いで実父が339件(40%)で合わせて9割以上となった。虐待の内容は暴言を吐くなどの心理的虐待が427件(50.4%)で、身体的虐待が244件(28.8%)、衣食の世話をしないなどのネグレクト(養育放棄)159件(18.8%)、性的虐待17件(2%)と続いた。

 虐待を受けた児童は年齢別で、小学生が最多の311件(36.7%)を数え、次いで3歳〜就学前が222件(26.2%)だった。

 虐待事件では18年3月に東京都目黒区の5歳女児が死亡し、19年1月に千葉県野田市で小学4年女児が亡くなっている。松田明子部長は30日の県議会厚生環境常任委員会で「事件の報道で県民の児童虐待への認知度、通告に対する意識がさらに高まった。警察、学校など関係機関との連携が密になり、児童相談所や市町村に速やかに通告されている」と説明した。

 県は本年度、中央(山形市)、庄内(鶴岡市)の両児童相談所での児童福祉司を計5人増の34人、児童心理司を計3人増の11人とし人員体制を強化した。さらに県警と県教育委員会との情報共有、連携の強化のほか、児童虐待の発生予防、早期対応を図るため児童相談所全国共通ダイヤル「189(いち早く)」の普及―などに力を入れていく。