今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

 上流医療(予防医療)は、まず命の上流である鼻と口をケアすることから始まります。鼻は空気、口は食事を体の外から取り込みます。それは異物ですから、なるべく体に害がないようにしたいものです。

 クッキーを誤って床に落としてしまいました。さて、どうしますか。体に入れるものですから、汚れがないか確認したり、フッと息を吹きかけて見えない汚れを落としたりしますよね。

 では、空気を吸い込むときにはどうしますか? 寝ているときはもちろんですが、起きているときでさえも、いちいち確かめることができません。そのまま何も考えずに、鼻でも口でも呼吸をしていることでしょう。

1日に吸う空気は15キロ 食事の10倍

 鼻は、鼻毛や鼻汁、線毛(鼻粘膜上皮にある細かい毛)によって、見えないミクロのゴミを除去したり、広げると新聞の一面ほどの大きさになる鼻腔(びくう)・副鼻腔で効率よく加湿したりして、安心、安全な空気を肺に送り込んでいます。その回数は、なんと1日に約2万回。そして重さたるや、約15キログラムほどになります。私たちは、1日の食事量の約10倍の重さの空気を毎日吸っては吐いているんです。もし、それが汚れているとしたら……。

 空気中にはゴミや細菌だけでなく、カビの菌やウイルスなども浮遊しています。それらを効率よく除去してくれるのが鼻の力、高性能な天然の空気清浄器なのです。

口呼吸が引き起こす多様な病気や症状

 口呼吸とは、いわば鼻からごはんを食べるようなものです。体の使い方を間違っている状態なんですね。そのため、いろんな症状、病気を引き起こします。口呼吸によって引き起こされる病気を表に示します。

 口呼吸そのものが引き起こす病気と、口呼吸によって慢性扁桃(へんとう)炎や歯周炎などが悪化して、それらに引き続いて起こる病巣疾患(原因の病巣と離れた場所に生じる二次的な病気)まで考えると、かなりの病気が当てはまるかもしれません。歯並びにも影響があるということは、顔の変化にもつながるということ。たかが口呼吸と侮ってはいけないのがお分かりでしょうか。