日産自動車は12日、前会長のカルロス・ゴーン被告=会社法違反(特別背任)などで起訴=に計100億円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしたと発表した。ゴーン被告の長年にわたる会社資金の私的流用などで被った損害を取り戻すためとしている。

 発表では、社内調査の結果に基づき、損害を算定したと説明。ゴーン被告による私的流用の具体例として、ブラジルやレバノンに個人宅を購入したことや、実態のないコンサルティング契約名目で姉に75万ドル(約8300万円)超を支払ったことなどを挙げた。ゴーン被告と少数の部下が承認すれば使えた日産の資金「CEO(最高経営責任者)リザーブ」から、国外の販売代理店に3200万ドル(約35億円)を不正に支払わせたとも主張している。

 法人としての日産は、ゴーン被告の役員報酬過少記載事件で金融商品取引法違反で起訴されている。今後、罰金を科されるなどした場合、賠償請求額をさらに増やすという。

 日産はまた、今回の提訴に先立って昨年8月、英領バージン諸島で、ゴーン被告や関係者が会社資金を使って豪華ヨットを不正に購入したとして、損害賠償請求訴訟を起こしていたことも明らかにした。

 ゴーン被告の逃亡を受け、日産は責任追及の動きを強化する方針。レバノンでゴーン被告が行った記者会見について、「根拠のない名誉を 毀損 きそん する発言について、別途、法的手続きをとる権利を留保する」とコメントした。