経済産業省が30日発表した5月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)速報値は、前月比で8・4%低い79・1だった。下落は4か月連続となり、指数は比較できる13年以降で最低だった。全業種が前月から悪化し、新型コロナウイルスの感染拡大が幅広い企業の生産活動に影響していることが鮮明になった。

 基準が異なるため単純比較はできないが、指数はリーマン・ショック後の09年3月(79・0)に並ぶ悪い水準という。基調判断は「急速に低下している」に据え置いた。

 業種別では、15業種すべてが低下した。マイナス幅は「自動車」の前月比23・2%減が最も大きく、「鉄鋼・非鉄金属」が13・8%減で続いた。4月は前月比でプラスだった半導体製造装置などの「生産用機械」も12・0%減とマイナスに転じた。

 緊急事態宣言が5月中旬以降、段階的に解除されたが、国内外の需要減や操業自粛などの影響が残った。

 企業の生産計画をもとに算出した先行きの見通しは、6月、7月ともに上昇を見込む。ただ、感染症の影響が見極めづらいとして、経産省は「回復は限定的で、低い水準が続く見通し」とみている。