【ロンドン=池田晋一】世界貿易機関(WTO)は29日の会合で、韓国政府が日本の輸出管理の厳格化を巡って申請した紛争処理小委員会(パネル)の設置について議論した。日本が反対したためこの日は設置が見送られた。会合に出席した米国も日本の主張に理解を示した。

 米国は「日本の措置が安全保障を理由としているのであれば、WTOの紛争解決制度で争うべきではない」と述べた。日本は、半導体関連3品目の輸出管理厳格化は「軍事用途への転用を防ぐためで、WTO加盟国に認められている」と主張し、改めてパネル設置に反対した。

 ただ、WTOの規定では、来月の次回会合で加盟国・地域が全会一致で設置を拒否しない限り、自動的にパネルが設置される。

 日本政府は昨年7月、フッ化水素など3品目について、輸出時に日本政府への申請を義務づけた。韓国は不服とし、今月、WTOにパネル設置を申請した。

 梶山経済産業相は30日午前の閣議後記者会見で、「韓国政府に対し、WTO手続きを止め、(日韓の政策)対話のテーブルに戻ることを強く求めたい」と述べた。