栃木県の日光・鬼怒川、那須塩原などの温泉旅館8軒が29日、正月の宿泊予約を無断でキャンセルされたとして、千葉県柏市でスナックを経営する女性らに約278万円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁大田原支部に起こした。宿泊施設などの無断キャンセルは全国で問題となっており、原告側は「泣き寝入りが大半だった。悪質なケースを断ち切る契機としたい」としている。

 訴状によると、女性経営者は男性従業員2人に慰安旅行のための宿泊予約を指示。従業員は昨年8〜11月、8旅館に電話をかけて、今年1月2日もしくは3日から1泊2日で、8〜10人分を予約した。しかし当日に姿を見せなかった。旅館側はそれぞれ、被害が26万〜59万円に上り、相手はキャンセルの連絡を怠ったなどとしている。

 原告である栃木県那須塩原市の旅館では、露天風呂付きの高級な部屋が対象となった。キャンセル料を請求しようと、予約時の電話番号に連絡したが不通。請求書も郵送したが「転居先不明」で返送されたという。

 旅館の専務は「お客様が来る可能性がある以上は、こちらで勝手にキャンセルはできない。正月は予約がいっぱいで本当に泊まりたかった人もいるはずで残念だ」と話している。