奈良県立山辺高(奈良市)サッカー部の元男子部員2人とその保護者が、元Jリーガーの監督からパワーハラスメントを受けて退寮、退部に追い込まれたなどとして、監督と、高校と提携して部や寮を管理するボスコヴィラサッカーアカデミーの運営会社「天平フーズ」(同市)に1100万円の損害賠償を求めて地裁に提訴した。提訴は10日付。

 訴状などによると、元部員2人は2017年4月に山辺高に入学し、寮生活を送っていた。18年に就任した監督は、元部員に対して親と連絡をとることや帰宅することを不当に責め立て、長時間の面談を行って「この場にいたいならこっちに従え」などと言い、19年に元部員を退寮、退部に追い込んだと主張している。

 もう1人の元部員に対しても、監督は「お前の父親はいつもこうやから成長できない」と言い、深夜に寮内で何度も呼び出すなどした。元部員は自宅が大阪府内にあったため、18年に退寮すると同時に退学も余儀なくされたとしている。

 29日、県庁で記者会見した元部員の父親(46)は「希望を持って取り組んでいる子どもへの裏切り行為だ」と憤り、別の元部員の父親(54)も「気に入らなくなったら辞めてくれなんてそんな話はない」と語った。

 天平フーズは「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

 県教育委員会などによると、山辺高サッカー部は、高校と連携したボスコヴィラサッカーアカデミーが運営。高体連主催の試合は、高校の教員が顧問として引率するが、日常的な活動に山辺高は関わっていないという。山辺高のサッカー部を名乗るが、学校側の管理が及ばない状況もあり、山辺高は「教育委員会と相談しながら今後については対応していく」とコメントした。