【北京=比嘉清太】中国の習近平(シージンピン)政権は13日、湖北省の蒋超良(ジアンチャオリャン)共産党委員会書記(62)と湖北省武漢市の馬国強(マーグオチャン)党委書記(56)を解任する人事を公表した。湖北省で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、地元政府のトップ2人を一気に更迭し、国民の不満解消を図る狙いとみられる。

 国営新華社通信によると、蒋氏の後任には、習国家主席の浙江省勤務時代の部下である応勇(インヨン)上海市長(62)が就く。2022年の次期党大会で党政治局員への昇格が有力視されており、混乱を早期に収拾できるかが問われる。

 党は今回の人事について「防疫業務の必要性と指導層の状況を考慮した」と説明し、地元当局の感染対策を問題視していることを示唆した。蒋氏は今月3日、党内会議で「至らない点を反省する」として初期対応をめぐる地元の不手際を認めていた。

 一方、馬氏がトップを務める武漢市では、市当局の公表前に新型肺炎への警戒を呼びかけた地元医師が、地元公安当局から社会秩序を乱したとして訓戒処分を受けた。医師は今月、新型肺炎で死亡し、市当局の対応に中国国内で批判が高まっていた。

 後任には山東省済南市の王忠林(ワンジョンリン)党委書記(57)が就く。別の都市での市長時代、住民の不満が出やすい大規模な立ち退きを混乱なく終えた手腕を持つと中国紙・南方都市報(電子版)は伝えている。

 習氏は一連の人事について、12日に自ら主宰した党最高指導部の会議で決めたとみられる。習氏は会議で、感染拡大の阻止に向けて「合格の答案を出さなければならない」と各地の幹部にげきを飛ばした。感染拡大に収束が見えず、党中央が焦りを募らせていることがうかがえる。ただ、地元トップ2人を同時に更迭することは行政の混乱を招く可能性もある。