【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルの繁華街、梨泰院のナイトクラブで発生した新型コロナウイルスの集団感染を巡り、韓国国内では感染者が勤務する病院や軍、コールセンターなどでの感染拡大や別の集団感染につながることへの懸念が強まっている。感染者の早期発見が肝要だが、来店者の特定が難航している。

 関連する感染者は10日午前までで54人で、このうち11人はナイトクラブでの感染者の接触者だ。政府の中央防疫対策本部と各自治体によると、ほかに感染者の家族や知人、職場の同僚などへの感染事例も相次いでいる。

 ソウル近郊の京畿道城南市の病院では、同クラブを来店した看護師1人の感染が判明した。この看護師が手術室での業務に携わったことから、病院は手術室を閉鎖し、スタッフ520人全員のウイルス検査を進めている。

 国防部直轄のサイバー作戦司令部ではクラブを訪れた所属下士官1人に続き、その接触者の幹部1人と兵士1人の感染が確認された。同司令部は隊員全員を検査している。ほかにも陸軍直轄部隊で大尉1人がクラブ来店後に感染が判明した。

 コールセンターに勤める1人もクラブ来店後に陽性と確認された。先にソウル市内のコールセンターでは100人以上の集団感染が起きていたことから、防疫当局はコールセンターでの新たな集団感染の可能性を警戒している。

 クラブでの感染者の中には百貨店に勤務する人もいる。また、感染者が密閉空間であるカラオケやインターネットカフェなどを訪れたケースがあることも分かった。

 クラブ来店者のほとんどが、行動範囲が広い20〜30代で、職場や何らかの集まりで感染を広げる恐れがある。市中感染の拡大につなげないためには感染者を早期に見つけ出さなければならない。しかし大型連休(4月末から5月5日まで)中のクラブ来店者をすべて把握するには限界がある。

 ソウル市によると、クラブの最初の感染者が訪れた梨泰院のクラブやバー・居酒屋は5店で、大型連休中の来店者は5517人(重複除く)だった。これら来店者全員に連絡を取ろうとしたが、10日の時点で1982人が電話番号を正しく残していなかったことが分かった。自治体と防疫当局はクレジットカード履歴を追跡したり、来店者自身に申し出るよう促したりしている。

 だが、これら5店には性的少数者(LGBT)が頻繁に利用する所も含まれているほか、「社会的距離」確保の措置が取られていた期間にクラブに出掛けたことへの批判もあり、来店者は身元を明かしたがらない雰囲気だ。

 また、感染したとしていても初期は症状がない場合も多く、危機感を持ちにくい。今回感染が判明した人のうち約3割は症状があらわれていない。

 中央防疫対策本部は10日の会見で、「広範囲な検査によって感染のつながりをたどり、新たな感染を防ごうとしている」と説明。大型連休中に梨泰院のクラブなどを訪れた人に対しては、外出を自粛し、症状の有無にかかわらず検査を受けるよう呼び掛けた。