【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、国会で2021年度(1〜12月)予算案に関する施政方針演説を行った。新型コロナウイルスの流行に関連し、「今や確実な防疫の安定とあわせ、確実な経済回復を成し遂げねばならない」と強調し、「防疫と経済の同時成功」という二兎を得たいとして協力を呼び掛けた。

 文大統領は2017年の就任以来、毎年国会で予算案に関する施政方針演説を行っている。今回は新型コロナの流行が長引いていることを踏まえ、「危機克服」に向けたメッセージの発信に焦点を当てた。

 文大統領は、来年から韓国経済を正常な成長軌道に乗せるため、本格的な経済てこ入れ策を稼働させるとし、「政府は韓国版ニューディールを一段と強力に推し進めるなど、危機を克服して未来をリードしていくための努力を加速させていく」と言葉に力を込めた。

 政府が国会に提出した21年度予算案は総支出555兆8000億ウォン(約51兆7000億円)で、20年度の本予算に比べ8.5%の増額となった。文大統領は、21年度予算案は「危機を乗り越え先導国家に飛躍するための予算」だと説明。拡張的財政政策を取るものの、「骨身を削るような支出構造調整を並行し、財政健全性を維持する努力を決しておろそかにしない」とも述べた。

 文大統領は危機克服と先導国家への飛躍に向け、まずは迅速かつ強力な経済回復を最優先課題とする姿勢を示した。「雇用は国民生活の最大の懸案であり、経済回復の出発点となるため、来年度予算は雇用の維持と創出に優先順位を置いた」と述べ、雇用創出・維持のための政策を紹介しながら企業に協力を求めた。また、消費てこ入れのための政策の本格推進、投資活性化に向けた大規模な政策資金供給などの構想を明らかにした。

 続けて、「苦しい時ほど未来を見るべきだ」と述べ、総額160兆ウォンを投じてデジタル化や雇用創出を目指す韓国版ニューディールを強力に推し進める意思を改めて示した。

 未来の成長エンジンに大胆な投資を行うことも表明し、システムLSI(大規模集積回路)、未来の自動車、バイオヘルスの3大新産業と第4次産業革命の中核インフラに対する投資方針を明らかにした。「中核素材・部品・装備(装置や設備)産業への支援を一段と拡大し、日本を超えて世界に伸張していく」とも述べた。