航空ショーにオスプレイも 岩国基地を一般開放、11.3万人来場
米国岩国基地と海上自衛隊岩国航空基地(山口県岩国市)を一般開放するフレンドシップデーが5日、催され、航空ファンら約11万3千人が来場した。沖縄の米軍普天間飛行場から来た米海兵隊のMV22オスプレイも参加し飛行。昨年11月、米空軍のCV22オスプレイが鹿児島県沖で墜落していることから、市民団体から抗議の声が上がった。
フレンドシップデーは、コロナ禍で中止が続いたうえ、昨年は5月の広島サミット(主要7カ国首脳会議)を控えて4月に前倒しされたため、ゴールデンウィーク期間中の開催は2019年以来5年ぶり。
航空ショーでは、米海兵隊のF35B戦闘機が飛行し、ヘリコプターのように空中で機体を静止させた。また、空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が6機編隊で曲技飛行をみせ、航空ファンらが歓声を上げたり、カメラやスマートフォンで撮影したりしていた。
米軍の「海兵空陸任務部隊」は、ヘリが地上を攻撃する想定で、火薬を使って炎と煙が上がる様子を演出。その後、オスプレイが着陸して、乗せていた兵を降ろした。
市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」(瀬戸内ネット)は1日、オスプレイの飛来と展示について、安全性が確認できておらず絶対に容認できないとして、岩国市が米軍と国に反対・中止を求めるよう申し入れていた。
実際には地上での展示にとどまらなかったことについて、現地で見届けていた瀬戸内ネットの久米慶典事務局長は「オスプレイを目の前で飛行させるのはいかがなものか。(フレンドシップデーの内容は)日米の基地統合化が進んでいると感じた」と語った。
一方、米軍岩国基地のリチャード・ラスノック司令官は取材に対し、オスプレイの飛行について「操縦、整備する側がプロ意識を持って仕事と任務にあたっていることを見ていただくことができた。どんな機体であれ、安全運航が重要だ」と答えた。(鈴木史)