機械の不具合で鉄粉が混入するトラブル 伊平屋村製糖工場の修繕費はどちらが負担? JA、村と折り合い付かず簡裁に調停を申し立て

 沖縄県伊平屋村田名の伊平屋村製糖工場の指定管理を担うJAおきなわが、機械の不具合の修繕費用負担などを求め、村を相手に調停を申し立てていることが17日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、昨年、攪拌(かくはん)機を使う製造工程で鉄粉が混入していたことが発覚。JAが村に報告し、村が同社や攪拌機のメーカーにも調査を依頼してきた。

 だが、原因が特定できておらず、JAは異物混入があった黒糖の出荷を止めた。品質に問題がないものは販売している。

 工場は2023~24年も稼働。JAは今年に入って、那覇簡易裁判所に調停を申し立てた。

 同工場は、JAが直営した旧施設の老朽化に伴い、村が県の補助事業を利用して建設。村は21年1月にJAを指定管理者に指名し、同月から操業を開始した。1日当たりの処理能力は約50トンで、例年12月~翌年3月の4カ月間、操業している。

 村の担当者は「異物混入や費用負担など、お互いの見解をすり合わせていきたい」と説明。

 JAの担当者は「担当レベルで解決できないため調停を申し立てた。今後も農業振興で協力していきたい」と話した。

 JAおきなわと村は、調停申立書の内容を明らかにしていない。(北部報道部・比嘉海人、政経部・金城紅映、大川藍)

(資料写真)伊平屋村製糖工場の落成を祝いテープカットする関係者ら=2021年

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