6日のNHK「あさイチ」は冒頭、鈴木奈穂子アナウンサー、博多華丸&大吉のキャスター3人が画面に映りながら、朝ドラ「ブギウギ」を振り返るトークを抜きにして本題に入る珍しい展開となった。この日は「性暴力」を特集した。

 オープニングで鈴木アナは「さっそく今日の特集です。取り上げるのは性暴力についてです。この後、実態を伝えるためにVTRで被害の詳細に触れていきます。ぜひ、ご自身のペースでご覧ください。もし途中で気持ちがつらくなってしまったら、ぜひこの視聴をやめて、後からNHKプラスでご覧いただくこともできます」と前置きしてテーマに入った。

 画面は資料画像をバックに、番組アンケートに寄せられた性暴力被害例をテロップで紹介。「これらはすべて男性が被害者です」とのナレーション。映像がスタジオに切り替わり、鈴木アナがNHKのコメントを以下のように伝えた。

「今回この企画を特集しようというきっかけになったのが、ジャニー喜多川氏の性加害問題があります。この問題を巡ってはこれまでも週刊誌等でたびたび報じられ、性加害の事実を認定した東京高等裁判所の判決が2004年に確定するなどしましたが、NHKは当時この問題について認識が薄く、その後も取材を深めてニュースや番組で取り上げることはありませんでした。多くの未成年者が被害に遭う中で、メディアとしての役割を十分果たしていなかったと自省しています」

「あさイチ」の始まり方は、キャスター3人が映って「朝ドラ受け」、もしくはいきなり特集テーマの映像が流れるという2パターン。この日は3人が映りながら、鈴木アナは硬い表情で華大コンビと言葉を交わすことなく特集のアナウンスを行った。

 池間昌人アナも「私たち『あさイチ』は、こうしたことの背景には性暴力への認識不足があったと考えています」とし、性暴力被害を見過ごさないためにどうすればいいかを2週続けて考えていくと説明した。まず始めたのが男性で、アンケート回答382件のうち、自分や身の回りの被害などを訴えたものが73件あったと紹介。SNSでは「重たいけどすごく放送の意義ある内容」との視聴者受け止め投稿も見られた。