いつものチャーハンをお店の味に近づける意外な「ひと手間」

2024/01/11

調理方法も味付けもシンプルなのに、なかなか“お店の味”にはならない料理の代表と言えば「チャーハン」。でも、いつもの工程にひと手間加えるだけで、お店の味に近づけることができるんだとか。グルメライターとしても活躍する増田剛己さんに、取材を通じて知った「ひと手間」を教えてもらいました。

WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・...

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町の中華料理屋(町中華)に学ぶおいしいチャーハンの作り方

「自宅でつくるチャーハンがべちょべちょで、あまりおいしくない」……と、ある町中華の大将に相談したところ、家庭でも簡単にパラパラのチャーハンができる方法を教えてくれました。その方法は、拍子抜けするほどシンプル。お店のコンロほど火力が出ない家庭では、長い時間炒めればいいと言うのです。しかも、鍋をあおったりする必要もありません。

それ以外にもいくつかの「ひと手間」を教えてもらいましたので、今回はそれらを実践しながら町中華のチャーハンを自宅でつくってみました。

コツ1:レンチンしたご飯を使う

チャーハンに使うご飯は炊きたてのものは避けたほうがいい、とプロは教えてくれました。理由は水分が出てしまうからです。町中華では冷たいご飯を使う場合もあるそうですが、家庭では火力が弱いので、冷たいご飯を一度レンジでチンするくらいがちょうどいいそうです。

コツ2:具材はできるだけ少なくする

浅草にある町中華の店主いわく、失敗するチャーハンの原因のひとつに具材の入れ過ぎがあるのだそうです。具材から水分が出てべちょべちょしたチャーハンになってしまうから。振り返ってみれば、これまで家でつくったチャーハンにはいろいろな具材を入れていました。というわけで、今回はシンプルにチャーシュー、かまぼこ、ネギ、玉子にしてみました。

コツ3:具材はできるだけ細かく刻む

ある町中華の店主は、チャーハンの具材はできるだけ細かく切ったほうがいいと教えてくれました。細かくすることで味のまとまりがよくなり、食感もよくなるそうです。というわけで、チャーシュー、かまぼこをみじん切りにしました。具材にもよりますが、今回は6~9ミリくらいに切っています。

コツ4:鍋をあおる代わりにフライ返しを使う

具材を炒めながら中華鍋をあおるのが町中華におけるチャーハンの調理方法です。なんとなく重要な工程の気もしますが、じつは家庭ではとくに必要ないそうです。浅草の店主によれば、鍋をあおるかわりにフライ返しを使えばいいそうです。

フライパンの具材を炒めながら、全体をひっくり返します。鍋にサラダオイルを入れ、フライパンに火を入れ、温まったら、チャーシュー、玉子を入れ、少し炒めたら、ご飯を入れましょう。

コツ5:ネギ以外の具材を入れてとにかく炒め、味付けは最後

浅草のプロは、とにかく水分がなくなるまで中火で炒めるのがポイントだと教えてくれました。ちょっと焦がすくらいまで炒めるそうです。個人的にこれは意外な指摘でした。これまで家庭でつくっていたときは、そこまで炒めずに火を止めていたからです。ちょっと勇気が必要ですがやってみましょう。

水分がなくなってきたら、最後に塩、コショウを入れて、醤油を鍋肌から流し込みます。味付けは少々薄味にするのがおすすめ。よく炒めることで、香ばしさが出てくるので、薄味でも十分においしくなるのだそうです。火を止める直前に刻んだネギを入れて、混ぜれば出来上がりです。

まとめ

ポイントはとにかく中火で長い時間炒めることです。焦げそうになったら、フライ返しで全体をひっくり返します。これを繰り返すことで、水分が飛び、パラパラのチャーハンができるはずですよ。

監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。

 
 

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