【8月2日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は1日、サウジアラビアやエジプトなどを発信源とし、アラビア語圏で世論操作を図ろうとしていたとみられるアカウントやページなど数百を削除したと明らかにした。

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 同社サイバーセキュリティー対策部門の責任者ナサニエル・グライシャー(Nathaniel Gleicher)氏によると、削除対象とされたアカウントなどが関与していた情報発信活動には2種類あり、両者につながりはないとみられているが、どちらも「組織化された信頼性に欠く行為」に関与していたという。

 二つの発信活動のうち一つはサウジアラビアが発信しており、同国内および北アフリカ地域が主に標的とされていた。これに関し、フェイスブック上では217アカウントと144ページ、さらに5つのグループが、また傘下の写真共有アプリ「インスタグラム(Instagram)」でも31アカウントが削除された。この情報キャンペーンには、米ドルとサウジ通貨で計10万8000ドル(約1160万円)が支払われていた。

 フェイスブックによると、これらのページ管理者やアカウント所有者はアラビア語で、中東地域のニュースや政治問題に関する投稿を行っていた。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子やイエメン内戦に関する記述も含まれていた。さらにイランやカタール、トルコといった近隣諸国に対する批判を頻繁にシェアしたり、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)や国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の信頼性に疑問を呈したりしていた。

 二つの発信活動のうちもう一つは、エジプトとアラブ首長国連邦(UAE)から組織的に発信されたものとみられており、中東から北アフリカ、東アフリカの諸国を標的とするものだった。こちらに関しては、フェイスブック上で259アカウントと102ページ、5つのグループが、またインスタグラムでは17アカウントが削除された。キャンペーン費として約16万7000ドル(約1800万円)が、米ドルとUAE通貨で支払われていた。(c)AFP