【2月21日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は20日、リポーターの質問に対して、アジア系ハーフの見分けが付かないのではと、とげのある言い方で答えた後、この発言について謝罪した。

 米国系日本人の母親とオーストラリア人の父親を持つジョーンズHCは、代表合宿中に記者会見に臨んだ。その際に、英国のテレビプレゼンターで先日自殺したキャロライン・フラック(Caroline Flack)さんの件を受けて、選手たちの精神的健康状態をどのように管理しているか問われた。

 するとジョーンズHCは、フラックさんの家族に哀悼の意を表すなど、熟慮した答えを口にしていた。しかし、同じリポーターがその後、現実をしっかり受け入れることについて同HCが昨年話していた内容を引き合いに、瞑想(めいそう)は役に立つか質問したときのことだった。

 ジョーンズHCは、「瞑想について話した覚えはない」と笑いながら話すと、「誰か他の人間と勘違いしているに違いない。おそらく、他のアジア系のハーフかな」「私たちは皆、似たように見えるのだろう」と回答。リポーターが個人的に謝罪を求めると、同HCは謝って握手を交わした。

 この件についてイングランドラグビー協会(RFU)の広報担当者は、「エディーは会見で思いつきの発言をすることがある。それは悪意があってのことではない」とすると、「彼はすぐに、そのジャーナリストと個人的に話をして発言の真意を説明し、謝罪してそれは受け入れられた」と述べた。

■試合の雰囲気づくり

 オーストラリアと日本の代表指揮官を務めた経歴を持ち、イングランド代表を率いて4年目を迎えているジョーンズHCは、挑発的な物言いをすることで知られているが、本人いわく、それは対戦相手を動揺させることが主な目的だとしている。最近もBBCのインタビューで、試合前のこうしたアプローチを楽しんでいると話しており、「試合の雰囲気づくりをする必要がある」「それがうまくいくときもあれば、そうでないときもある」と明かした。

 先日仏パリで行われたシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2020)開幕戦のフランス戦を前に、ジョーンズHCは戦闘的な意味合いを込めて「完全な肉弾戦」を予告したが、あまり好意的に受け止められずにイングランドへの応援も少ないまま、チームは17-24で敗れてしまった。

 一方、敵地マレーフィールド(Murrayfield)で臨んだスコットランドとの第2節では、相手を「不機嫌な」チームと挑発。(両国の定期戦)カルカッタ・カップ(Calcutta Cup)となったこの試合では、イングランドが13-6で勝利した。(c)AFP