【3月16日 AFP】フランスで15日、統一地方選挙の第1回投票が行われた。新型コロナウイルス感染への恐れから投票所に足を運ばない人が多く、過去最低の投票率となった。当局がウイルスの流行を食い止めようと対応を急ぐ中、第2回投票の中止を求める声が上がっている。

 各世論調査機関によると、今回の投票棄権率は54〜56%で、これまでで最も高かった6年前の地方選を20ポイント近く上回った。

 北部ノルマンディー(Normandy)地方の港湾都市ルアーブル(Le Havre)市長選に立候補していたエドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、22日に第2回投票を予定通り実施するかについて科学専門家らと今週中に話し合う予定だと述べた。

 フィリップ氏はテレビ演説で、「この高い投票棄権率は、わが国の市民が今回の危機に抱いている懸念の高まりを示している」と指摘。同氏はルアーブル市長選で有力とみられている。

 投票が始まる数時間前には、政府がバーやレストランなど、生活必需品の販売店以外のすべての店を閉鎖するよう発表していた。多くの人は、外出を制限する、より強い封鎖措置が数日内に取られる可能性があるとみている。

 今回の統一地方選は、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の人気を問う試金石になるとみられていた。政府は、投票所での感染を防ぐ十分な措置を取るとして、中止を求める声に応じず第1回投票を予定通り実施した。

 憲法の専門家によると、第2回投票を中止するなら、第1回投票もやり直しが必要になる可能性があるという。

 フランスでは15日、新型コロナウイルスに感染して死亡した人が新たに36人確認され、1日の増加幅としては流行発生後で最大となった。仏保健当局の15日の発表によると、1月以降に確認された感染者数は累計で5423人に上り、これまでに127人が死亡している。(c)AFP/Mariëtte Le Roux and Joseph Schmid