【5月12日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の天津天海(Tianjin Tianhai FC)が、事実上の経営破綻となった。元ブラジル代表FWアレシャンドレ・パト(Alexandre Pato)がプレーし、ファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏が監督を務めたことで知られる同チームだが、ここ数か月は崖っぷちに追い詰められていた。

 過去半年間、中国では1部から3部リーグで少なくとも12クラブが経営破綻しているが、スーパーリーグに所属するチームでは天津が初めて。多額の負債があったと報じられている天津に代わり、ロベルト・ドナドーニ(Roberto Donadoni)監督が率いる深センFC(Shenzhen F.C.)が1部に昇格する見通しとなっている。

 新京報(The Beijing News)やその他の国営メディアによれば、天津は11日、今季のスーパーリーグからの撤退に関する申請書を提出したという。

 今シーズンの同リーグは2月22日に開幕する予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって無期限の延期となり、現時点では6月末にスタートする可能性がある。

 天津の失墜はあっという間の出来事だった。

 チーム名が天津権健(Tianjin Quanjian FC)だった2017年、天津はカンナヴァーロ監督の下でスーパーリーグ3位に入り、AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)の出場権を獲得した。

 その後、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)でプレーしたパトやベルギー代表MFアクセル・ヴィツェル(Axel Witsel)、フランス人FWアントニー・モデスト(Anthony Modeste)の補強に大金を投じた。

 しかし、親会社の創業者が昨年1月に逮捕されると、チームは天津市の体育局に移管となり、名前も天津天海に変わった。

 万通地産(Vantone Real Estate)が買収に動いた今年3月、ファンは救われたと思ったが、同社との交渉は決裂したと新京報は報じている。

 天津は昨季のスーパーリーグで降格した深センFCを4ポイント上回り、なんとか残留に成功していた。(c)AFP