和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月26日(金)

特別公開に365人 串本の樫野埼灯台150周年

初点灯から150周年で特別公開された樫野埼灯台(和歌山県串本町樫野で)
初点灯から150周年で特別公開された樫野埼灯台(和歌山県串本町樫野で)
 初点灯から150年を迎えた和歌山県串本町樫野にある樫野埼灯台が15日、特別公開された。灯台内部の公開の他、灯台絵画コンテスト2020受賞作品の掲示などがあり、365人が訪れた。

 田辺海上保安部(上野春一郎部長)は毎年この時期、日本初の西洋式灯台「観音埼灯台」(神奈川県横須賀市)の起工日(1868年11月1日)にちなみ海上保安庁が制定した「灯台記念日」の関連イベントとして、樫野埼灯台を一般公開している。

 今年は樫野埼灯台が1870(明治3)年6月10日に初点灯されてから150周年に当たることから、特別公開とし、先着150人にキーホルダーやクリアファイルなどの記念品を配布した。関西空港海上保安航空基地所属のヘリコプターと串本海上保安署所属の巡視艇「むろづき」も、このイベントに合わせて会場近くまで来た。来場者たちは海上保安部員らの案内で灯台などを見学した。

 樫野埼灯台は日本最初の回転式石造り灯台。1890(明治23)年9月16日午後9時ごろ、近くで遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の乗組員たちは、この灯台に救助を求めてきたという。

 上野部長は「トルコと日本の友好の懸け橋にもなった灯台。今後ともしっかりと守っていきたい」と話した。