岡崎体育、実写版『サザエさん』で苦戦「中島くんはバリバリの世田谷育ちですから…」

2020.6.9
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「関西弁」です。
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歌詞の中で使われている言葉は、そのほとんどが標準語です。僕は京都出身なので、当然ふだん使っているのは関西弁。東京に出てきてもうすぐ1年経ちますが、言葉のスタンスはそうそう変わるものではないので関西弁を使っています。歌詞で関西弁を使うミュージシャンでまず思いつくのはウルフルズさんですね。関西弁は、ソウルミュージックにすごく合うと思います。生まれ育ったところの言葉はなんだか素のままの自分が出せるので、ソウルにめっちゃハマる。僕の「なにやってもあかんわ」という曲もそういう感じしませんか? 曲の中にパーソナリティを出すなら、距離感が縮まったり親近感を持てるので、関西弁に限らず地元の言葉を使うとリアリティが増して良いのだと思います。これは、ひとつの武器ですよね。文学的だったり、シリアスにしたいときには標準語を使えばいいし、くだけた感じや柔らかなニュアンスを足したいなって曲のときにはあえて関西弁を使う。そういう使い分けができる。これ、関東出身の人たちは標準語だけなわけやから、そういう方々よりも僕たちは表現の幅がひとつ広いのではないか、と思います。

でも、関西圏以外でもテレビのバラエティ番組などで関西弁が溢れているわけで、みなさん関西弁慣れしているんじゃないでしょうか。耳馴染みあるはずです。逆に、僕なんかは標準語がいまだになかなか上手に操れずに苦戦することがあります。以前、テレビドラマで実写版の『サザエさん』に参加させていただきました。カツオの親友の中島くんが大人になった姿を演じたのですが、彼はバリバリの世田谷育ちですから、めっちゃ標準語口調なわけです。イントネーションとかどうすればいいのか、けっこう迷ってしまいました。あと、こっちに来てからホームセンターとかスーパーに行くと子どもたちが標準語なのには、結構びっくりさせられます。僕の中ではやっぱり子どもはバリバリの関西弁。標準語でお母さんとしゃべっている子を見かけると、全員、少し前の芦田愛菜ちゃんや鈴木福くんに見えます。僕にとっては標準語の子ども=子役のイメージなんです。でも、これから東京にずっと住むとして、もし、もしも、子どもを持ったとしたら僕の子は何弁をしゃべるのでしょうか。やっぱり標準語なんですかね? そしたら僕も影響を受けて、めっちゃ標準語で会話してしまいそうです。

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※『anan』2020年6月10日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)