福浦の歌舞伎、5年ぶりの活気 佐井村で130年超継承

鵜沼照都
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 青森県佐井村福浦地区で10日、5年ぶりとなる「福浦の歌舞伎」の春祭り特別上演が開かれた。村内外から約200人が訪れ、全国的にも珍しい漁村歌舞伎を楽しんだ。

 福浦の歌舞伎は、明治中期に上方の歌舞伎役者が2年にわたり伝習。130年以上、地元の漁師たちによって受け継がれてきた。現代では台本が整理されているが、当初は口伝で、役者のセリフに方言が交じるのも特徴だという。

 2019年以来となった公演は、まず、同地区出身の佐井中学校3年、田中勇吹(いぶき)さんによる舞台を清める「三番叟(さんばそう)」で幕開け。続いて「義経千本桜」の「義経・静、別れの場」と「藤太・忠信、駆け込みまで」の2幕が上演された。観客たちは「じょんずだのぉ」「がんばれよぉ」などと声をかけながら次々と舞台にご祝儀を上げていた。(鵜沼照都)

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