コラム 2020.09.18. 11:59

落合・バース以来、34年ぶりの快挙へ…打率.350の壁に挑む佐野恵太と吉田正尚

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DeNA・佐野恵太[写真は2020年] (C) Kyodo News

セパの首位打者争いを引っ張る左のスラッガー


 異例な形で行われているプロ野球・2020シーズンも、残すところ50試合を切った。今季はセ・リーグでクライマックスシリーズがなく、パ・リーグも上位2チームしかポストシーズンには進めないとあって、徐々にタイトル争いの話題が増える時期でもある。

 個人成績表を見てみると、両リーグの首位打者争いを引っ張っているのは、タイトル獲得経験のない若き左打者。セ・リーグはDeNAの佐野恵太、パ・リーグはオリックスの吉田正尚がトップを快走している。


 メジャーに挑戦した筒香嘉智に代わって、今季からハマの「4番」と「主将」の座を継承した佐野。昨季までは代打がメインで、これがいわゆる“レギュラー1年目”になるのだが、そんなことは微塵も感じさせない選球眼と勝負強さで、今やすっかり主砲として定着している。

 一方の吉田も、これまでは“大砲候補”というイメージも強かったが、昨年は打率と安打数でリーグ2位の好成績をマーク。5年のキャリアで.321という高い通算打率を誇っており、今季は三振の少なさが頻繁に取り上げられるなど、スキのない強打者としてまた一歩進化した姿を見せている。


両者ややスランプ気味…?


 9月17日終了時点で、佐野の打率は.348。2位につけるヤクルト・村上宗隆の1分3厘の差をつけてトップを走っている。

 8月下旬の時点では一時.330まで落ち込んでいたものの、9月はここまで月間打率.383と再び状態上向き。9月9日の時点では.357まで打率を伸ばしていた。

 ところが、ここ4試合は15打数3安打とプチスランプへ。現在は11日ぶりに打率.350を下回っている状態で、初のタイトル獲得のためには、このスランプを長引かせないことが重要になる。


 一方の吉田は、ここまで打率.355をマーク。2位の日本ハム・近藤健介とは1分9厘の差がついている。

  しかし、この吉田も直近4試合は13打数2安打とやや低迷。月間打率を見ても、9月はここまで.291と調子を落とし気味。9月6日時点で.379まで上がっていた打率を徐々に落としている。


「.350」の壁を超えろ!


 首位打者のひとつの目安と言えるのが、「.350」という数字だろう。

 2000年以降、両リーグあわせて延べ11選手が打率.350の壁を越え、タイトルに手が届かなかったのは3人だけ。直近では2年前にソフトバンクの柳田悠岐が.352を記録しているが、同じ年にセ・パ両リーグでこの壁を超えたのは、30年以上も前までさかのぼらなければならない。

 もし、佐野と吉田が打率.350以上で首位打者に輝けば、1986年以来で実に34年ぶりという快挙。その年はセ・リーグが.389のランディ・バース(阪神)、パ・リーグは.360の落合博満(ロッテ)が首位打者のタイトルに輝いており、ともに「2年連続の三冠王」というオマケ付きだった。


 ちなみに、2リーグ制となった1950年以降で見ても、両リーグの首位打者がともに.350の壁の壁を超えたケースと言うと、「1951年」「1980年」「1985年」と「1986年」、この4度しかない。

 異例だらけのシーズン、初の首位打者に向かって走り続ける2人は、34年ぶりの記録を達成することができるだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)


打率ランキング

(9月17日終了時点)

<セ・リーグ>
1位 .348 佐野恵太(DeNA)
2位 .335 村上宗隆(ヤクルト)
3位 .318 宮﨑敏郎(DeNA)

<パ・リーグ>
1位 .355 吉田正尚(オリックス)
2位 .336 近藤健介(日本ハム)
3位 .331 柳田悠岐(ソフトバンク)


▼ 両リーグの首位打者が打率.350超え

<1951年>
セ:川上哲治(巨人/.377)
パ:大下 弘(南海/.383)

<1980年>
セ:谷沢健一(中日/.369)
パ:レロン・リー(ロッテ/.358)

<1985年>
セ:ランディ・バース(阪神/.350)
パ:落合博満(ロッテ/.367)

<1986年>
セ:ランディ・バース(阪神/.389)
パ:落合博満(ロッテ/.360)

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