「10代特集」となれば、この男たちを外すことはできない。韓国でのU-18ワールドカップを戦う高校日本代表だ。大船渡高・佐々木朗希、星稜高・奥川恭伸ら粒ぞろいの選手がそろい、この中から2020のプロ野球を沸かす男たちが必ず出てくるはずだ。 佐々木朗希[大船渡高3年・17歳/投手] 190センチの長身から最速163キロの快速球を投げ込む規格外の右腕。大学日本代表相手の壮行試合でも圧巻のピッチングを見せた/写真=田中慎一郎
衝撃の「12球」
8月26日、神宮球場は2万8436人の大観衆が集まった。侍ジャパン壮行試合。その最大のお目当ては、高校代表(U-18代表)で先発した佐々木朗希(大船渡高)である。1回裏を三者凡退。一番・
宇草孔基(法大4年・常総学院高)は初球、152キロでバットを折らせて左飛。二番・
小川龍成(国学院大3年・前橋育英高)は落差の大きいフォークで空振り三振。そして、日米大学選手権で首位打者を獲得した慶大・
柳町達(4年・慶応義塾高)は152キロの真っすぐで空振り三振に斬っている。この日の最速は156キロ。自己最速163キロには及ばないが、佐々木の「12球」は衝撃的であった。
大学日本代表を率いた生田勉監督(亜大監督)は目を丸くさせた。「日米大学選手権でもアメリカに好投手はいましたが、佐々木君はそれ以上のボールを投げていました。皆が動揺したのはあります。1回の投球を見た(大学日本代表で先発した)森下君(
森下暢仁、明大4年・大分商高)も2回表は『負けてなるものか』と……。彼の実力を認めざるを得なかった」。味方のミスもあり2回表に1失点した森下は「力が入った」と反省しながら「高校生でこれだけ強いボールを投げる。真っすぐで空振りを取っていた。自分が高校のときは、そこまでのレベルにはなかった」と称賛の言葉を並べた。最速153キロの森下も今秋ドラフトの超目玉の一人であり、17歳・佐々木のすごさを証明する快投だった。
しかし、翌27日に右手中指にマメができたことが判明。佐々木にとっては初の“全国舞台”で、想像を絶する注目度もあり、過度の負担がかかってしまったようだ。U-18W杯は30日に韓国で開幕し、コンディションを見極めての起用となる。
佐々木と並んで、高校日本代表の“顔”は・・・
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