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パ・リーグ6球団 三番打者事情は?

 

クリーンアップの一角として、打線のけん引役である三番。チャンスを拡大、または得点を呼び込む重要な役割を担う打順だ。ペナントレース終了も近いが、パ6球団の三番打者事情を見ていこう(記録は9月9日現在)。

埼玉西武ライオンズ



 開幕から5月中旬までは主に秋山翔吾が務め、その後はほぼ外崎修汰が座っていたが、8月2日のオリックス戦(京セラドーム)からは1試合を除き、森友哉が三番に名を連ねている。捕手という重責を担いながら、三番として33試合に出場し、打率.373、10本塁打、33打点をマーク。森が三番に座った試合は、チームも22勝10敗と大きく勝ち越し、首位・ソフトバンクに最大8.5ゲーム差から肉薄した大きな要因となっている。今季通算では打率.339。捕手としては史上4人目の首位打者獲得も視界に入っている。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・柳田悠岐


 長い間、ケガで留守にしていたが、8月31日から柳田悠岐が定位置に戻った。自らも「三番がいい」と熱望する打順で爆発的なスタートダッシュを決めた柳田。しかし、4月7日に左ヒザ裏を痛めて一転。当初は全治3週間程度の見込みと診断されたケガ(左半膜様筋腱損傷)は実は重症で、復帰までは約4カ月を要した。リハビリ中の苦悩は、復帰戦となった8月8日のウエスタン・広島戦(タマスタ筑後)で流した涙が物語る。皆が待ち望んだ一軍復帰から15試合が経過した。フルスイングこそ見られるが、まだまだ打撃自体は本調子とは言えない。それでもきっかけをつかみさえすれば、すぐに本来のパワフルな打撃を見せてくれるはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 開幕から不動の三番打者の役割を担っているのが浅村栄斗だ。リーグ屈指の強力打線を誇った西武からFA移籍した1年目。打点では昨季の「127」から「76」と大きく減らしてしまったが、本塁打数は昨季の「32」に肉薄する「28」と長打力は健在だ。また、6月14日の広島戦(楽天生命パーク)では全球団全打順本塁打をマークし、これは2014年の吉村裕基(ソフト)以来、史上2人目の快挙となった。本領発揮といかないまでも、新天地・仙台でもフルスイングを貫いている。

千葉ロッテマリーンズ



 井口資仁監督は毎試合のように打順を入れ替え、最適解を見つけ出そうと模索しているが、三番にはやはり開幕スタメンも任された中村奨吾が収まるのが理想形だろう。ここまでチーム最多の58試合で三番起用されていることから、指揮官の期待値が高いことが見て取れる。だが、今季は下半身のコンディション不良をはじめ細かなケガが重なり、本塁打こそキャリアハイの15本とパンチ力を見せているものの、打率は2割台前半に低迷。盗塁数も伸びていない。Aクラス入りを懸けたラストバトルを勝ち抜くためにも、「三番・中村奨」の打棒復活が必要になる。

北海道日本ハムファイターズ



 栗山英樹監督が最も信頼を寄せ、打線のキーマンに挙げるのが三番を担う近藤健介だ。左右の投手をまったく苦にしない広角打法で安打を量産し、あの大谷翔平(エンゼルス)が「近藤さんのバッティングは天才」とうなったほど。それだけに開幕前から首位打者獲得の有力候補に名前が挙がったが、夏場に調子を落とし、現状で打率3割は超えてはいるものの厳しい状況になっている。それでも四球の数はここまでリーグダントツ1位の「100」を数え、出塁率も.431。いかに相手バッテリーから警戒され、嫌がられているかを数字が証明している。逆転でのCS圏内入りへ向け、北の天才バットマンが打線をけん引する。

オリックス・バファローズ


オリックス・吉田正尚


 開幕直後は打率1割にも満たなかった不振がウソのように、吉田正尚が孤軍奮闘を続けている。7月は打率.357、7本塁打、21打点で月間MVPを受賞すると8月も好調を維持。打率.407、2本塁打、11打点でチームの月間勝ち越し(14勝9敗)に貢献した。シーズン打率は.333まで向上させ、リーグ2位に位置するだけでなく、本塁打もキャリアハイに並ぶ26本と本来の姿を取り戻している。首位打者、最高出塁率と自身初の“打撃タイトル”も射程圏内。最下位に再転落したチームにバットで光を与えている。

写真=BBM
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