トランプ氏の元選対本部長、親ロシア派から75万ドル授受=ウクライナ議員

マナフォート氏はヤヌコビッチ前大統領の顧問を務めていたと認めている

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画像説明, マナフォート氏はヤヌコビッチ前大統領の顧問だったと認めている

昨年の米大統領選でドナルド・トランプ氏の選対本部長を一時務めたポール・マナフォート氏とロシアとの結びつきが指摘される問題で、ウクライナ議会の議員が21日、親ロシア派がマナフォート氏に75万ドル(約8400万円)に払った証拠だとする書類を公開した。

ウクライナ議会のセルゲイ・レシチェンコ議員が公開した契約書とインボイスには、「デイビス・マナフォート」という名の会社にコンピューター機器代として75万ドルが支払われたと記載されている。マナフォート氏のものとされる署名もある。

代金は、中米ベリーズにあるオフショア企業がキルギスタンの銀行を通じて支払っていた。

マナフォート氏の広報担当、ジェイソン・マローニ氏は、レシチェンコ議員の主張には「根拠がない」と否定した

マナフォート氏はウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ前大統領の顧問を務めていた。しかし、マナフォート氏は金銭授受はなかったとしている。

マナフォート氏は昨年8月にヤヌコビッチ前政権とのつながりを指摘され、トランプ氏の選対本部長の辞任を余儀なくされた。

トランプ大統領に近い多くの人物が、昨年の大統領選中にロシア政府と接触していた疑惑が浮上している。

20日には、米連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官が下院情報委員会で証言し、大統領選へのロシア介入疑惑についてFBIが捜査を進めていることを初めて認めた。

「黒い帳簿」

調査報道記者出身のレシチェンコ議員は、今回公開した契約書とインボイスは、ヤヌコビッチ氏率いる「地域党」へのコンサルタント料を隠匿するためのものだと語った。

地域党によるとされる手書きの会計簿、いわゆる「黒い帳簿」にマナフォート氏の名前が記載されており、その日付や金額が、今回のインボイスと合致しているという。

ヤヌコビッチ前大統領は、2014年に起きた政権に対する大規模な抗議デモを受け、失脚した。