新生児が新型ウイルスに感染、母親も陽性 中国・武漢
中国・湖北省武漢で、生まれたばかりの赤ちゃんが、生後30時間で行われた検査で新型コロナウイルスに感染していることが確認された。中国国営メディアは5日夜、これまでで最も幼い症例だと報じた。
国営新華社通信によると、赤ちゃんは今月2日、新型コロナウイルスが発生した武漢市内の病院で誕生した。
母親は出産前の検査で新型ウイルスの陽性反応が出ていた。感染経路は分かっていない。
体重3250グラムで生まれた赤ちゃんの容体は安定しており、観察下に置かれているという。
赤ちゃんが生まれた病院の新生児科の上級医の1人は、今回の事案は「新型ウイルスの新たな感染経路がある可能性を懸念すべき」というサインだと、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストに述べた。
子供の症例はわずか
新型ウイルスによる死者は、5日時点で563人、感染者は2万8018人に上っているが、子供の感染者数はわずかだ。
新型ウイルスは25カ国に拡大しており、これまでに合わせて191件の症例が確認されている。しかし、 中国大陸以外での死者はわずか2人(香港1人、フィリピン1人)に留まっている。
新型ウイルスは深刻な呼吸器感染症を引き起こすもので、通常は発熱や空ぜきといった症状から始まる。感染した多くの人は、通常のインフルエンザのように完治するとみられる。
WHOが資金支援呼びかけ
世界保健機関(WHO)は先月30日、新型ウイルスについて「世界的な緊急事態」を宣言した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は5日、3カ月間の新型ウイルス対応計画のための6億7500万ドル(約740億円)の資金支援を求めた。