英政府、新型ウイルスへの「対策万全」と　イタリアへの渡航制限も

イギリス政府は24日、新型コロナウイルスによるCOVID-19について、政府には対策への「十分な準備」があり、市民のリスクは「依然として低い」ままだとの見解を発表した。

英保健省によると、イギリスでは24日午後2時（日本時間午後11時）の時点で6536人が検査を受け、2527人が陰性だった。

一方、23日には、日本の横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船し帰国した30人のうち4人から陽性反応が出た。これにより、イギリス国内での感染者は13人となった。

欧州でこれまでに最も多く感染者が明らかになっているのはイタリアで、同国政府によると24日午後の時点で感染者229人、死者6人が確認されたという。

イタリアはアウトブレイク（大流行）を防ぐため、ロンバルディア州やヴェネト州の一部の街を2週間封鎖するなど、厳しい措置をとっている。

英外務省はこれを受け、イタリアで感染者が出た地域に渡航しないよう勧告した。アイルランドも同様の措置を取っている。

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ボリス・ジョンソン英首相の報道官は24日、イギリスで集団感染が起きた場合はイタリアと同様の対応をするのかと聞かれ、「政府は公衆衛生や医学の専門家の助言に従って動いている。専門家らがイギリス国民を守るために最善だと感じる施策を取るつもりだ」と答えた。

また、一般市民に対するリスクは「依然として低い」ままで、国内で行われた検査の99％が陰性だったと発表した。

「イギリスでの感染に対する備えは万全だ。すでに有効性が確認済みの手続きで感染拡大を防いでいるし、国民保健サービス（NHS）は非常にしっかり態勢を整えている上、感染症の管理には慣れている」

その上で英政府は、世界保健機関（WHO）や世界の協力機関と「緊密に協力し」、「あらゆる可能性に対応できるようにする」と述べた。

現在、英保健省はアウトブレイクへの対応として以下の措置を取っている。

COVID-19について知っておくべきこと

症状は？

主な症状は高熱とせき。こののほか、息切れや呼吸障害を発症する。

何をするべき？

感染しないためには、手を石けんなどで小まめに洗ったり、病気の人との濃厚接触を避けたりするのが有効。また、洗っていない手で目や鼻、口を触らないことも大事だ。

一方、せきやくしゃみはティッシュで受け止めてゴミ箱に捨て、すぐに手を洗うことで、感染拡大のリスクを軽減できる。

イギリスでは、中国大陸、タイ、日本、韓国、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、マカオから帰国後に症状が出た場合は、軽い症状であっても屋内にとどまり、NHSへ電話で連絡するよう求められている。

イギリス政府の対応は？

政府は目下、感染者をいち早く特定し、隔離状態で治療を行うことに注力している。

そのため、感染者と濃厚接触した人をすべて追跡し、感染の兆候や、発症した際の対応などを周知している。

30人中4人から陽性反応

「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していたイギリス人は22日にイギリスに帰国したが、うち4人から新型ウイルスに対する陽性反応が出た。

下船したイギリス30人とアイルランド人2人は帰国後、イングランド北西部ウィラル半島のアロウイー・パーク病院で14日の隔離措置を受けている。

感染が確認された4人は現在、NHSの感染症センターで専門治療を受けている。

一方、「ダイヤモンド・プリンセス」乗船中に感染が確認されたイギリス人4人は帰国便には乗らなかった。

このうち、肺炎と診断されたサリー・エイベルさんとデイヴィッドさん夫妻は日本の病院で治療を受けているという。

COVID-19のウイルス発生源となった中国ではこれまでに約7万7000人の感染が確認されており、死者は2600人近くに上っている。

中国国外では約30カ国で1200人以上の感染者と20人以上の死者が出ている。最近では韓国やイタリア、イランなどで感染者が増加し、政府が封じ込めに追われている。

（英語記事 UK government 'well prepared' for coronavirus）