東京五輪、予定通り開催は「無責任」 IOC委員がツイート

Hayley Wickenheiser

画像提供, Getty Images

画像説明, IOCのウィッケンハイザー委員はカナダのアイスホッケー選手として4つの五輪金メダルを獲得した

国際オリンピック委員会(IOC)のヘイリー・ウィッケンハイザー委員は、東京五輪が予定通りの開催に向かっていることについて、「無神経で無責任」だと批判した。

新型コロナウイルスが世界的に流行するなか、東京五輪については橋本聖子五輪相が17日、「完全な」形での開催をまだ予定していると述べた。

一方、ウィッケンハイザー氏はツイッターで、「この危機はオリンピックすら超える」と主張。

「今後24時間で何が起こるのかわからない。今後3カ月ではなおさらだ」との考えを表明した。

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ウィッケンハイザー氏は、カナダの元アイスホッケー女子選手。五輪では4大会連続で金メダルを獲得した。

同氏はツイッターで、さらに次の考えを明らかにした。

「選手の立場からは、現在選手たちが感じている不安や胸が張り裂ける思いを想像し、気持ちを寄せることしかできない」

「選手たちは練習できず、観客たちは旅行の計画を立てられない。スポンサーやマーケティング業者はどんなに気を使っても営業活動ができない」

「IOCがこれほどの信念をもってこのまま進むと主張するのは、人々の状況を考えると無神経で無責任だ」

日本政府とIOCは「予定通り」

開催国の安倍晋三首相は14日、東京五輪はまだ開催の方向で進んでいると主張。17日には、橋本五輪相が、「予定通りにしっかりと開催できるように準備し、IOCに確信をもって、この大会ができると決めていただけるように政府として努力する」と述べた。

橋本氏はまた、「完全な」形での五輪とは、予定された時期に観客を迎えて開催することだと説明した。

IOCは、「思い切った」決断をする予定はないとし、東京五輪開催への努力を続けていくとしている。

しかし、スペインのオリンピック委員会のアレハンドロ・ブランコ会長は17日、選手が十分に準備できるよう、五輪を延期するのが望ましいとの考えを表明した。

ブランコ氏は、「日々のニュースは世界のすべての国にとって落ち着かないものだが、最も大切なのは、練習ができないことだ。五輪を予定通りに開けば、不公平な条件が生じてしまうだろう」と主張。

「五輪は開催してほしいが、安心が必要だ。スペインは世界で重要な国だが、大会まで4カ月となり、選手たちは公平な条件で臨むことはできない」と述べた。