スペイン、死者9千人を超える 感染者の増加率は低下
スペインの新型コロナウイルスによる死者が1日だけで864人増え、9000人を突破した。ヨーロッパ全体の死者は3万人を超えた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、新型ウイルスの世界の感染者は87万人を超え、死者は4万3000人以上に達している。
スペインのCOVID-19(新型ウイルスによる感染症)による死者は9053人で、イタリアに次いで多い。1日あたりの死者数は、前日の849人をわずかに上回り、5日連続で800人を超えた。
同国では10万2136人の感染が確認されているが、感染者の増加率は下がり続けている。この日は前日比で12%増えた。
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スペインのロックダウン(都市封鎖)は2週間以上続いており、より厳しい移動制限が3月30日に導入された。
しかし、マドリードやカタルーニャなど感染が深刻な地域では、医療の提供が困難な状況が続いている。特に医療器具の不足が問題になっている。
イタリアは死者1万3000人
世界で最も大きな影響を受けているイタリアは、感染者数が10万5792人、死者は1万3155人に上っている。
しかし、1日あたりの新たな感染者の増加率は3%未満に下落しており、ここ数日でよい方向に進んでいる。
アメリカの死者数は4000人を超え、イランの死者数は3000人に上った。ベルギーは死者が123人増えて828人となったほか、集中治療室の病床の空きは半数以下になったとしている。
フランスでは過去24時間に509人がCOVID-19で死亡し、これまでの死者は4032人に上った。イタリア、スペイン、アメリカに次いで世界で4番目に多い。フランスの感染者は5万6989人で、前日の31日から約9%増えた。
イギリスは1日、過去24時間の死者が563人となり、初めてフランスを上回った。死者の合計は2352人で、フランスより少ない。
失業率が悪化
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、新型ウイルスのパンデミック(世界的流行)は世界にとって、第2次世界大戦以来の試練だと述べている。
国連の報告書は、新型ウイルスの影響により世界で最大2500万の仕事が失われると予測している。
イギリスでは3月の製造業の生産量は2012年以降で最低水準になった。オーストリアの失業率は昨年3月と比べて52.5%の急激な悪化を示し、1946年以降で最悪レベルとなった。イタリアの2月の失業率は前月よりやや悪化の9.7%で、新型ウイルス危機の影響はこれからとみられる。
その他の国々の状況
- オランダでは死者が134人増え、計1173人となった。ただ、入院患者の増加率は下がった
- サウジアラビアはイスラム教徒に対し、7~8月の聖地メッカとメディアへの巡礼に関して予約を延期するよう呼びかけた
- スイスは3月31日夜、死者が433人になったと発表。翌4月1日には影響が深刻なティチーノ州でさらに12人が死亡したと発表した
- ロシアでは新たに7人が死亡し、死者は24人となった。感染者は2777人に上った
- スウェーデンではイースター(復活祭)休暇を前に、多くのスキーリゾートが閉鎖を予定している。当局が比較的緩やかだった規制を強化している
- 中国は輸出用医療用具の品質管理を強化すると表明した。欧州の国々から欠陥があると苦情が出たのを受けたもの
- インドでは首都ニューデリーで開かれた宗教行事に参加した数百人の行方を当局が追っている。この行事で集団感染が発生した