中国、新型ウイルスによる1日の死者数ゼロと発表 流行以来初

Chinese woman with face mask

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中国は、過去1日における新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の死者数がゼロになったと発表した。

中国ではここ数日、1日に当たりの死者数が1桁台で推移していた。ただし、同国のデータの信ぴょう性を疑問視する声もある。

また、過去24時間の新たな感染者数は32人で、全員が外国からの帰国者だという。

中国政府は先に、新型ウイルスの発生地である武漢の封鎖を緩和すると発表したばかり。住民は1月23日の封鎖開始以降、初めて市外に出ることを許される。

COVID-19は現在、欧米を中心に猛威を振るっており、アメリカでは死者が1万人を超え、1日当たりの死者数も最多を更新している。

こうした中、中国がウイルスを克服したというニュースは、各国当局にとっては喜ばしいものになると考えられる。

中国政府はここ数週間、新型ウイルスとの戦いが続くアジアや欧州各国に救援物資などを送っている。

<解説> 疑わしいデータでも良いニュース ――スティーヴン・マクドネルBBC北京特派員

中国の国家衛生健康委員会が毎日のデータを公表し始めてから、初めて死者数がゼロを記録した。これは中国だけでなく、世界全体にとっても希望になるはずだ。

ある意味で、この数字が本当かどうかは問題ではない。中国の新型ウイルス統計の正確さについては、様々な意見がある。しかし、全体の感染者数や死者数が実際よりも低いのだとしても、中国における減少傾向は参考になると考えられている。

なぜか? この傾向は現実とさまざまな面で一致しているからだ。

興味深いことに、中国共産党のコントロールするメディアでは、過去24時間に死者が出なかったというニュースを大々的に取り上げなかった。中国の主要ソーシャルメディアでも、大きなトレンドにはならなかった。

これと同じことは、国内での感染者が初めてゼロになった時にも起きている。つまり、政府の報告には欠陥があると、中国メディアは重々承知しているからか、あるいは報告に問題があると共産党が承知しているので、報道は慎重にするようメディアに命じたかのどちらかだ。おそらく後者だが、それはどちらでもいい。

大事なのは傾向だ。傾向としては、これは良いニュースだ。