仏ノートルダム大聖堂の再建を再開 新型ウイルス流行で遅れ

動画説明, 賛美歌を歌うパリ市民、ノートルダム大聖堂火災の衝撃

昨年4月の火災で屋根や尖塔(せんとう)が焼失したパリのノートルダム大聖堂で27日、再建工事が再開された。

新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)により、再建は一時中断されていた。

エマニュエル・マクロン大統領は、5年以内の再建を約束しており、当初は3月23日から工事を再開させる予定だった。しかし、ロックダウンの影響で遅らさざるを得なかった。

工事は、他人との距離を取るルールを順守した上で進められる。

ノートルダム教区パトリック・ショーヴェ主任司祭は、作業員向けの着替え室やシャワーなどを整備すると説明。マスクや手指用の除菌ジェル、食事なども供給されるほか、近隣のホテルはパリ在住ではない工事関係者を受け入れるという。

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A crane looms over Notre-Dame cathedral in Paris

画像提供, Getty Images

画像説明, 再建工事は当初、3月下旬から再開の予定だった
Two people in face masks walk past Notre-Dame in Paris

画像提供, Reuters

画像説明, ノートルダム大聖堂の再建工事は新型ウイルスの流行によるロックダウンで遅れが出ている

大聖堂の再建工事は新型ウイルスだけでなく、冬の嵐や、火災によって放出された有毒な鉛などの影響で遅れが出ている。

鉛中毒をめぐっては昨年6月、当局が近隣の子どもや妊娠中の女性に血液検査を受けるよう呼びかけていた。

ショーヴェ主任司祭はロイター通信の取材で、向こう数週間で再建工事が軌道に乗ったうえでの最初の仕事は、火災で大聖堂に溶けて覆いかぶさった金属の足場を取り除く作業だと話した。

また、ロックダウンによって6週間の遅れが出たものの、マクロン大統領の再建計画そのものは予定通りに進むはずだと話した。

火災の原因はまだ分かっていない。当局は犯罪の可能性はないとしており、漏電やたばこの吸い殻などが原因ではないかと示唆している。

動画説明, ノートルダム大聖堂、初の被害映像 火災の影響は

フランスの新型ウイルス流行は

人口約6700万人のフランスではこれまでに12万5000人以上の感染が確認され、2万3000人近くが亡くなっている。

現在、国全体でロックダウンが実施されているが、5月11日には制限が緩和される見通し。エドゥアール・フィリップ首相は28日にも議会で計画を説明する予定だ。

最新の統計によると、フランスではロックダウンが開始された3月に25万人近くが失業者登録を行った。

さらに、民間部門の被雇用者1000万人以上が一時解雇されているが、こうした人たちの給与は主に政府が保障している。

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