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ソニーの最強Vlogカメラ「ZV-1」を完全体に! デメリット全てを解決する必携の専用ケージ

レビュー

2020/08/04 18:30

【木村ヒデノリのTech Magic #014】 ソニーの「VLOGCAM ZV-1」といえばYoutuberやV-logger界隈で話題のコンパクトデジタルカメラだ。見た目はコンデジだがスペックは動画撮影に特化している。手振れ補正などの機能はGoProのようなアクションカメラと遜色なく、かつ広角から望遠まで撮影できるレンズは、今までのアウトドア撮影の常識を覆す名機と言っていいだろう。ただ、実際に使ってみると、これはちょっと困る、という点が見えてきた。そんな問題点を全て解決してくれた専用ケージがあるので紹介したい。

ソニー初のバリアングルも搭載されたコンパクトV-logカメラ「ZV-1」

実際使ってみて不便だった「三脚穴」の構造

 ZV-1の撮影性能は、他のレビューでも絶賛されているように全く問題がない。センサーサイズこそ1インチと小さいものの、搭載された本格的な動画撮影機能は他の高級ミラーレス一眼に匹敵する性能だ。4K S-Log撮影も可能なスペックと十分に実用的な手振れ補正は、従来アクションカメラでしか撮影できなかった屋外での撮影をプロレベルに引き上げてくれる画期的な製品だと言える。

 おそらく通常V-logを撮るのには全く問題ないのだろうが、筆者のシチュエーションで困ったことが一つだけあった。それが“三脚穴の位置”だ。コントロールグリップを装着した状態でもそうなのだが、ZV-1は三脚穴の位置関係上、バッテリーの蓋が開かなくなってしまう。
 
ZV-1の三脚穴はバッテリー蓋横に位置しており中心からかなりサイド寄りになっている

 一般的にV-log撮影はそれほど長時間撮影しない。また、室内でYouTubeを撮影するなどの用途では直接給電できる。PCと接続中はそのままカードリーダーとしても利用できるため、バッテリー蓋が開かなくても差し支えない、というのがメーカーの見解だろう。

 実際、ほとんどのケースで問題はないのかもしれないが、筆者は手持ちのカメラ全てにアルカスイス互換のプレートを付けているため懸念事項になった。アルカスイス互換とは、三脚にカメラを取り付ける際に使う雲台とプレートのサイズのことだ。

 統一されていればネジを外すことなく雲台にカメラを取り付けられる。このプレートを付けていることで手持ちの撮影から俯瞰撮影まですぐにカメラをセットでき、撮影効率が格段に上がる。ただ、このプレートも純正の穴につけるとバッテリー蓋に干渉する。グリップは簡単に外せる構造だが、プレートは六角レンチを使うため、蓋の開閉を諦めざるを得ない。
 
かなり小さめのプレートを付けてもバッテリー蓋と干渉してしまう

光軸のズレ問題も解消してくれる画期的な軽量ケージ

 バッテリーの蓋が開かないだけでなく、光軸のズレも気になっていた。三脚穴が中央にないため、自撮りをする際にレンズが顔よりもやや右に来てしまう。大きな問題はないが、手持ちで撮っている際に違和感となり、解決できるならしたいところだった。
 
グリップからやや右にレンズがきてしまうのも撮影時には違和感がある

 これらの問題を一気に解決してくれたのがSmallRig製専用ケージ「Smallrig ZV-1ケージ」だ。ラインアップはノーマルケージ、ウッドグリップ付きケージ、ウッドグリップL字型の3種があり、いずれも軽量・安価だ。これを装着すると、カメラ底部にはいくつもの三脚穴が追加され、好みの位置にプレートや三脚をつけることができる。ケージをつけるとなると重さを気にする読者もいると思うが、一番重いウッドグリップ付きケージでも160g。軽さを求めるならL字型を選べば120gと全く問題ないだろう。
 
実測値はウェブサイトに表記されているものよりもさらに軽かった

 これらを装着することで、実用的な重さを保ちつつ、レンズの中心にプレートを設置できる。さらにバッテリー蓋も干渉せず開けられるようになり、メモリーカードも随時取り出せる。ケージと聞くと本体が重くなる印象で敬遠しがちだが、筆者が実際に付けてみた感覚ではほとんど重さを感じず、かつ前述したデメリットが全て解消された。この価格帯のケージでZV-1を死角なしの状態にできることを考えると非常に有能だと感じた。
 
ケージやコールドシューを付けた状態でもわずか422g(本体の重さ含む)。
光軸もグリップとしっかり合っている
 
バッテリー蓋も干渉せず、カード共々スムーズに出し入れができる

プレート運用で広がるZV-1の可能性

 プレートを付けることで雲台への着脱が簡単になるため、グリップの使い勝手は大幅に向上する。今回グリップ側に使っているクイックシュープレートはNeewer製のかなりスリムなもので、運用上違和感もない。クイックシューを採用することで、距離が欲しい時は延長ロッドを簡単に装着でき用途の幅が広がる。さらに俯瞰撮影用のクランプにも同様のクイックシューを使うことで、簡単に手持ちから俯瞰に切り替えることもできる。
 
距離をかせぎたい時はカメラとグリップの間に簡単に延長ロッドを入れることが可能
 
Neewerのクイックシューは他にないほどスリムでグリップにつけても違和感がない
 
広角側はかなり広く映せるので俯瞰撮影にも向いている。
クイックリリースで簡単に付け替えられるのも大きなメリットだ

 ケージには専用のコールドシューも付けられ、画面と逆側に外部マイクなどを付けられるのも良い。その他、抜けやすいmicroHDMIケーブルをホールドするパーツなど、豊富なオプションが付けられるようになるのも利点だ。
 
外部マイクもコールドシューオプションパーツによって入力端子がある側に付けられるようになる

 総じてポテンシャルの高いZV-1だが、今回紹介したSmallRigのケージによって死角のない完全無欠のV-logカメラになると確信できた。ZV-1は配信者ならサブ機や3台目としても確実に持っておきたい1台だが、このSmallRigのケージも併せて買っておくべきオプションだろう。ZV-1の購入を検討されている読者はぜひ一考してほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)


■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
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