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ECB:マイナス金利が議題か、景気への脅威も山積-10日政策発表

  • マイナス金利の階層化、近いうちに決定される見通しない
  • 新たなLTRO調整のため当局は景気の現状を把握しようとしている

欧州中央銀行(ECB)は10日、政策を発表する。当局者らは域内経済について警戒を続ける理由が有り余るほどある。米国は新たな関税の脅しを振りかざし、イタリア政府は今年の成長をほぼあきらめ、英国の欧州連合(EU)離脱問題は解決していない。それに加えて、国際通貨基金(IMF)は9日、世界経済見通しを再び引き下げた。

  ECBがリスクは「下振れ方向」とする理由であるこうした懸念とは別に、政策委員会はマイナス金利政策を巡り議論するとみられる。

  今回会合では政策変更は予想されていない。ただ、成長とインフレに関する警鐘の音量は上がりそうだ。先月に導入計画を発表した新たな銀行向け長期資金供給については、条件などを微調整するため当局は景気の状態を把握しようとしているところだ。


Euro-area manufacturing has lagged recovery in the U.S. and China

マイナス金利

  ドラギ総裁は先月下旬に、マイナス金利が市中銀行の収益性に与える悪影響を和らげる準備をしていると発言。中銀預金金利の階層化について観測が強まった。しかし、近いうちに決定がなされる見通しはない。

Key Speakers At The ECB And Its Watchers Conference

ドラギ総裁(3月27日、フランクフルト)

Photographer: Andreas Arnold/Bloomberg

  ECBでは各委員会が正式な政策提案の準備作業をするが、事情に詳しい複数の関係者によると、委員会は階層化について議論していない。中銀預金金利を階層化すれば、市中銀行の超過準備の一部がマイナス金利の対象から外れる。クノット・オランダ中銀総裁ら一部メンバーは階層化には反対だ。ECBは2016年にこれを検討したものの、ユーロ圏で採用するには複雑すぎると判断した。

Declining Margins

Euro-area banks have seen profitability declining with ECB easing policies

Source: ECB

Note: Chart shows mean response to survey question on impact of cost of funds and balance-sheet constraints on margins, with 1=contributed considerably to tightening and 5=contributed considerably to easing.

  

長期リファイナンスオペ

  新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)についての新規情報はほとんど期待できない。6月に明らかになる最新の経済予測が、同プログラムの条件決定の鍵だと当局者らが示唆しているからだ。

  ブルームバーグの調査に答えたエコノミストらによると、このLTROで最低の金利は恐らくECB政策金利を下回る見込み。つまり、少なくとも当面、銀行は資金を受け取ることで金利を得ることになる。
  

Euro-area inflation gauges have been moving away from the ECB's goal

原題:ECB Stays on Alert as Dangers Accumulate: Decision Day Guide(抜粋)

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