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超低金利政策、20年春よりもっと長くなる可能性ある-日銀総裁

更新日時
  • 「当分の間」がやや短く見られる懸念があったと黒田総裁-指針修正
  • 証券会社の在庫不足で市場機能発揮されにくい-ETF貸し付け検討
日本銀行の黒田総裁

日本銀行の黒田総裁

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本銀行の黒田東彦総裁は25日、金融政策決定会合で政策金利のフォワードガイダンス(指針)の時間軸を明確化したことに関し、2%物価目標の実現に向け強力な金融緩和を続ける方針をより明確に示したと述べた上で、「2020年春よりももっと長くなる可能性も十分にある」と指摘した。

  黒田総裁はフォワードガイダンスの「当分の間」との表現について、消費増税が予定されている10月が近づくにつれ「やや短くみられるような懸念」があったため、今回の修正で「かなり長い期間であるということを明示した」と説明。「20年春になったら、何が何でも金利を見直すということは全く考えていない」と述べた。明確化の理由として、世界経済の不確実性が最近かなり大きくなってきたことも挙げた。

  日銀は25日の決定会合で、現行の政策運営方針を据え置く一方、海外経済動向や消費増税の影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ「当分の間、少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とフォワードガイダンスを修正した。

25日の日銀決定会合に関する記事はこちらをご覧ください

  同会合ではまた、円滑な資金供給や資産買い入れと市場機能の確保のため、日銀が保有する指数連動型上場投資信託(ETF)を市場参加者に一時的に貸し付けることを可能とする制度の導入を検討することを決めた。

  黒田総裁は会見で、ETF市場に占める日銀保有分が「7、8割など、ものによってはもっと率が高い」ことで、マーケットメイキングを行う証券会社の在庫が不足し、「市場の流動性や市場機能が十分に発揮されにくくなっているとの意見がある」と説明。「ETFの貸付制度を創設することで、市場がよりよく機能することを期待している」と述べた。ただ、関係者との議論や財務相の認可が必要なため、新制度の「実現には時間がかかる」との見方も示した。

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