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米雇用者数は予想上回るも、時給は予想に届かず

更新日時
  • 4月の失業率3.6%、49年ぶり低水準を更新
  • エコノミストは「ゴルディロックス」と表現
An employee loads up new rolls of material onto racks at a carpet manufacturing facility in Bloomsburg, Pennsylvania.
An employee loads up new rolls of material onto racks at a carpet manufacturing facility in Bloomsburg, Pennsylvania.

Photographer: Ty Wright / Bloomberg 

4月の米雇用統計では、失業率が49年ぶり低水準を更新、雇用者数の伸びは市場予想を上回った。平均時給の伸びは予想を小幅に下回り、好調な労働市場に継続の余地があることが示唆された。

キーポイント
  • 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比26万3000人増
    • ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想全てを上回る
    • 予想中央値は19万人増
    • 3月は18万9000人増(速報値19万6000人増)に下方修正
  • 家計調査に基づく4月の失業率は3.6%に低下-前月3.8%
  • 平均時給は前月比0.2%増(予想0.3%増)
    • 前年同月比では3.2%増(予想3.3%増)
U.S. economy added 263,000 workers in April as jobless rate fell to 49-year low

エコノミストの見方

ドイツ銀行のチーフエコノミスト、トルステン・スロック氏:

  • 「経済がなお非常に順調に進んでいることをはっきりと物語る」
  • 「賃金が上昇したという意味ではインフレ傾向だが、予想されていたほどの上昇ではなかった」
  • 「これを最も的確に表現する言葉はゴルディロックスだ」

インサイト

  • 労働市場の強さは過去数カ月にわたって継続して広がった。景気拡大期は今年半ばに米史上最長となる見通しだが、エコノミストの間では1-3月(第1四半期)は強かったものの、年末までに減速が見込まれている
  • 失業率が低下した背景には、健全な兆候とは通常見なされない要素もある。労働参加率は62.8%に低下(前月63%)
  • 2月と3月の雇用者数を合わせると計1万6000人の上方修正。3カ月平均は16万9000人増に減速

詳細

  • 雇用の伸びは幾分かまだら模様で、建設業やヘルスケア、専門職・ビジネスサービスは増加。一方、小売りは1万2000人減と、3カ月連続のマイナス
  • 建設業の雇用は3万3000人増と、1月以来の大幅な伸び。製造業は4000人増
  • 3月の平均時給は前月比0.2%増(速報値0.1%増)に上方修正。4月は生産・非管理職の労働者の時給は年率3.4%増に加速し、比較的賃金が低い職種での伸びが示唆された
  • 4月は週平均労働時間が34.4時間(前月34.5時間)に減り、平均時給を押し上げた
  • 「U6」と呼ばれる不完全雇用率は7.3%と、前月と同水準
    • U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいとは考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる
  • 民間部門の雇用者数は23万6000人増。前月は17万9000人増(速報値18万2000人増)に下方修正。政府部門は2万7000人増
  • 統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Jobs Top Forecast at 263,000 Gain; Wages Miss Estimates (3)(抜粋)

(統計の詳細を追加し、更新します.)
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