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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Cojp

本格的な貿易戦争が「基本シナリオ」に-リスク要因から一転

  • 米中が4月終盤のような状況に戻れるとは考えていない-野村HD
  • 追加関税の実施が容易に基本シナリオになり得る-ゴールドマン

エコノミストらは数カ月にわたり米中の貿易合意を見込んできたが、大手金融機関の一部では悲観的な見方が強まっている。

  トランプ米大統領が約3000億ドル(約33兆1000億円)相当の中国からの輸入品に最大25%の追加関税を賦課する考えを示す中、ゴールドマン・サックス・グループや野村ホールディングスなどはそれぞれ予想を見直している。

  野村が基本予想としたのは、中国によるほぼ全ての対米輸出に追加関税が賦課されることを意味すると考えられる関税強化。年内に実施される確率が65%で、7-9月(第3四半期)となる可能性が最も高いとみている。

  野村のエコノミストらはリポートで、「確かにぎりぎりではあったものの、表面的には着実に合意に向けた進展があったように見えたが、米中関係はこの2週間で軌道からさらに遠ざかってきた」と指摘。「米中が4月終盤のような状況に戻れるとは考えていない」と記した。

To Be Tariffed...Maybe

Top 10 U.S. imports from China which haven't been tariffed in current dispute

Source: U.S. International Trade Commission

  ゴールドマンのエコノミストは今後数週間で進展の兆しがなければ、追加関税の実施が容易に基本シナリオになり得ると警鐘を鳴らした。「合意に至る可能性の方が高いとわれわれは引き続き考えているが、予断を許さない」とリポートに記した。

原題:Full-Blown Trade War Is Quickly Shifting From Risk to ‘Baseline’(抜粋)

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